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【天皇賞】スピルバーグ大外急襲V

 秋を制したスピルバーグ(手前)、2着のジェンティルドンナ(右端)、3着のイスラボニータ(右から2頭目)(撮影・三好信也)
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 「天皇賞(秋)・G1」(2日、東京)

 上位人気2頭を外から豪快に差し切った。5番人気スピルバーグがG1馬6頭を一蹴。重賞未勝利での秋盾制覇は、皇帝シンボリルドルフを差し切った85年ギャロップダイナ以来の快挙となった。藤沢和師は現役最多の天皇賞・秋V5を達成。素質を開花させた5歳馬はジャパンC(30日・東京)で連勝を狙う。2番人気ジェンティルドンナは2年連続2着、1番人気の3歳馬イスラボニータは3着、春秋盾連覇を狙った3番人気フェノーメノは14着に大敗した。

 父ディープインパクト譲りの末脚で大外からライバルをのみ込んでいく。北村宏が必死の形相で右ムチを連打するシーンは、まさにハリウッド映画さながらのド迫力。大器スピルバーグが開花した瞬間だ。「気持ち良かった」。普段から大きなアクションを見せない主演男優は、ゴールとともに馬上で小さなガッツポーズをつくった。

 道中は常に馬のリズムを大事にする34歳らしい、冷静な判断で運んだ。後方13、14番手で折り合いに専念。一転、勝負どころで攻めの姿勢へシフトした。「内は馬群が固まっていた。大外は回したくなかったけど、前走は少し脚を余した。(持ち味の)末脚を発揮させたかった」。直線で前が詰まった毎日王冠(3着)の敗戦を糧とし、メンバー最速の上がり3F33秒7で大外一気を決めた。

 「経験したことを忘れないようにしたい」。何よりもキャリアの蓄積を重視する鞍上は、地道に腕を磨いてきた。昨年は初の大台となるJRA年間101勝を達成。「それを続けていかないと。もうひとつ大きな目標はG1を獲ること。そう決めた1年だった」と06年ヴィクトリアマイル(ダンスインザムード)以来のビッグタイトルをかみしめる。

 「(G1は)8年半ぶり?そんなにたちました?」。弟子の北村宏とは対照的に笑顔でおどけた藤沢和師は歴代2位、現役トップの天皇賞・秋5勝目。“勝ち方”を知る名将には時を待つ余裕がある。「以前は続けて使うと疲れていた」と12年ダービー14着後には1年2カ月の休養を決断。愛馬の成長曲線を見逃さず、重賞未勝利の身で一気の頂点奪取に成功した。

 次なる目標は厩舎の“先輩超え”だ。02、03年を連覇したシンボリクリスエス、04年にV後は秋の王道G13連勝を成し遂げたゼンノロブロイ。高い壁へ挑む戦いが始まっていく。「次は東京2400メートルしかないか」とトレーナーはジャパンC参戦に意欲的。この日の勝利は、良血馬と師弟コンビが織りなす超大作のまだまだ序章に過ぎない。

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