【安田記念】ジャスタ世界一のド根性V

 「安田記念・G1」(8日、東京)

 これぞレーティング世界No.1ホースの底力だ。断然人気を集めたジャスタウェイが、ゴール前の壮絶なたたき合いを制し、約9センチ差で凱旋Vを果たした。今後は順調なら宝塚記念(29日・阪神)へ。さらに秋は登録済みの凱旋門賞・仏G1(10月5日・ロンシャン)も視野に入れる。16番人気のグランプリボスがG1馬の意地を見せ2着。3着に10番人気のショウナンマイティ、6連勝を狙った3歳馬ミッキーアイルは16着に沈んだ。

 最後は意地のぶつかり合いだった。47歳のベテランが泥にまみれ、祈るように左ステッキを振るう。あと1完歩、いやもう1完歩‐。壮絶なたたき合いを制したジャスタウェイが、世界No.1ホースのプライドを見せつける約9センチ差のV。破竹の4連勝で、国内復帰初戦をモノにした。「直線では何度も(道悪に)脚を取られていたが、最後まで諦めなかった。すごいね。やっぱり世界一の馬」。柴田善は改めて強じんな脚力と精神力を絶賛した。

 負けるわけにはいかなかった。道中は外からフタをされ、中団馬群の中。終始芝の荒れた部分を走らされたが、直線半ばで馬群を縫うように進出すると、先に抜け出したグランプリボスの内へ。こん身の叱咤(しった)に応え、ゴール寸前でかわし切った。「外に出せていたらもっと楽だったと思う。でも、ああいう競馬ができるのは偉いね」。福永の騎乗停止に伴う代打を見事に務め上げた大ベテランは目尻を下げた。

 ドバイで見せた豪脚再び…とはならなかったが、須貝師は1番人気に応えるVにホッとした表情だ。柴田善とはJRA競馬学校騎手課程の第1期生同士。「“同期でG1を獲れたらいいね”と話していた。ヨシトミ君とジャスタウェイを信頼していた」と満足げに振り返った。

 血の勢いも最後のひと押しとなったか。これでオークスのヌーヴォレコルト、ダービーのワンアンドオンリーに続き、ハーツクライ産駒はG1・3連勝。「(ワンアンドオンリーの)橋口先生は“ハーツの子は道悪も大丈夫”と言っていた。どういう馬場でも勝たないといけないと思っていた」。指揮官はダービートレーナーの言葉を改めてかみ締めていた。

 注目は今後の動向だ。「いつもより息の入りが悪かったので、馬の様子を見てから」と慎重な姿勢ながら、次走は宝塚記念を予定。登録済みの凱旋門賞については「宝塚に無事に行けるかどうかが物差しになる。行くとしたら(前哨戦は使わず)ぶっつけになるでしょう」と言及した。いかなる針路を取るのか、世界中がその動向を注目しているに違いない。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

レース最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(レース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス