【菊花賞】ゴールド世代最強、圧巻2冠

 「菊花賞・G1」(21日、京都)

 役者が違う、パワーが違う。皐月賞馬ゴールドシップが21日、淀の長丁場でライバルを豪快にねじ伏せた。断トツの1番人気に応えて、00年エアシャカール以来となる12年ぶり8頭目の皐月賞&菊花賞の2冠を達成した。次はジャパンC(11月25日・東京)か、有馬記念(12月23日・中山)へ向かう。2着は5番人気のスカイディグニティ。3着は7番人気のユウキソルジャーだった。

 新たな芦毛伝説の始まりだ。ゴールドシップが、クラシック最終戦で圧巻の走りを披露。単勝1・4倍の1番人気に応えるとともに、00年エアシャカール以来となる、12年ぶり8頭目の皐月賞&菊花賞の2冠達成を決めた。08年オウケンブルースリ以来2勝目となる内田博は「皐月賞を勝った馬の実力を見せられた」と心地良い汗をぬぐった。

 最内から無難に発馬を決めたが、行き脚がつかないと見るや最後方へ。慌てることなく1周目をこなした。動きを見せたのは向正面。坂下からじわじわとポジションを上げ、4角では先頭集団をロックオン。手応え良く伸び、後続の追撃を楽々と振り切った。

 パートナーの力を信じるだけだった。昨年5月の大井で落馬し、頚椎歯突起骨折。今年1月に復帰すると快気祝いとばかりに共同通信杯で重賞Vを飾り、皐月賞でもイン強襲で圧勝した。「京都の向正面から行って、また直線でも伸びることができる馬。3000メートルは初めてといっても、前走の2400メートルを押し切っていますから。不安はひとつもなかった」。今月には次男が誕生したばかりとあって喜びもひとしお。「あと15年は頑張らないと」と笑みをこぼした。

 昨年のオルフェーヴルに続く、父ステイゴールド×母の父メジロマックイーンの黄金配合による制覇。日高の小さな牧場で生まれた孝行息子の頑張りに須貝師は「感無量です」と目を細めた。ダービー馬ディープブリランテの直前離脱など、春のライバルが不在となった菊の舞台。「人ごとのようには思えず、きょうのきょうまで気が抜けなかった。(2着馬が迫った)最後の直線はちょっとびびった(笑)けど、もう1段階ギアが入ってフォームが沈みましたからね。馬と内田君をほめたい」。記念すべき通算100勝をG1で達成。JRA史上最速(開業から3年7カ月21日)での到達に「出来過ぎですね」と、ほおを緩ませる。

 今後の進路については馬の状態を見つつ、慎重に決めていく構えだ。「いつもよりもレース後のメンテナンスに時間がかかりそう。ジャパンCか、有馬記念まで間をあけるか。オーナー、内田君との3者で考えていきたい」と指揮官。世代の頂点を極めた2冠馬が、古馬制圧に向けて大きく舵を切る。

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