認知度ほぼゼロ!?メーカーが語る「名古屋のういろうはまずい」と言われてしまう本当の理由
数ある名古屋めしの中でも手土産の代表とされる和菓子「ういろう」。米を蒸して作るもちもち食感が人気の定番名古屋土産だ。そんなういろうにまつわる名古屋市内に本社を構えるとあるういろうメーカーの投稿が、SNSで話題を集めている。
こちらの投稿に関して、株式会社餅文總本店営業部にお話を伺った。
-「名古屋のういろうは美味しくない」という声を、実際によく聞くのでしょうか?「SNSなどで『他県のういろうと比較して美味しくない』『名古屋みやげにういろうはいらない』などの声が、少なくない頻度で見られています。また催事売り場で試食販売を行うと、『ういろうはいらない』と敬遠する方もみえることから、ネガティブなイメージを持っている方が一定数いらっしゃる印象です」
-なぜ美味しくないと言われてしまうのでしょう?
「ういろうは材料や食感を見た目から推測しにくく、食べる前に期待していた風味や食感と違うと感じる方が多いのではないかと推察しています」
関西出身である筆者も、実際に初めて名古屋のういろうを食べた時、「美味しくない」とまではいかないが、想像と違うモチモチ感に驚いた記憶がある。加藤さんの話によると、同じ「ういろう」という名前でも、地域によってモノが大きく違うそうだ。例えば、名古屋のういろうの主原料は米粉だが、三重県なら小麦粉、山口県ではわらび粉が使用されている。他の地域の「ういろう」を知る人が、そのイメージを抱きながら名古屋のういろうを食べる。そこで生まれるイメージのズレこそ、名古屋のういろうが他地域と比較してまずいと思われてしまう一因なのだ。
-名古屋のういろうが他の地域のういろうと別物であることは、世間的に認知されていると思いますか?「正直、認知度はほぼゼロに近いと思っています。ただ当店としては、他の地域をライバル視するのではなく、名古屋のういろうが他の地域にも負けていないということを伝えていきたいと考えています」
同社では、もっと手軽にういろうを食べてもらえるよう、ひとくちタイプの商品を展開するなど様々な工夫を行っている。今回の投稿には、「ういろうってピンキリですよね」「子どもの頃は苦手だった」という反応があった一方で、「名古屋のういろうは美味しいですよ!」という応援のメッセージも多く寄せられた。同社をはじめとする愛知のういろうメーカーの努力が、名古屋のういろうに貼られた不名誉な評価を塗り替えることを期待したい。
(デイリースポーツ特約・桐田えこ)
