確定申告すれば会社員でも税金が戻ってくるかも!?代表的なケースとは【税理士が解説】
多くの会社員にとって、年末調整は「税金の手続きのゴール」だ。しかし、そのように考えていると損をしてしまうかもしれない。「医療費控除は10万円以上じゃないと無理」「確定申告は面倒」という思い込みが、本来戻ってくるはずのお金をそのままにしているかもしれないからだ。
例えば、市販薬を多く買っていたり、ふるさと納税のワンストップ特例を忘れていたりする場合、確定申告(還付申告)をおこなえば払いすぎた税金が戻ってくる可能性がある。具体的にどのようなケースで還付が受けられるのか。正木税理士事務所の正木由紀さんに話を聞いた。
ー会社員が確定申告(還付申告)をすれば税金が戻ってくる、代表的なパターンとは?
会社員の方でも、特定の出費や事情がある場合は、確定申告をすることで税金が戻ってくるケースがあります。代表的な6つのケースについてお話します。
1.医療費控除:年間10万円以下でも対象になるケース
「医療費控除は年間10万円を超えないとダメ」と思っている方は多いものの、実は例外があります。年間の「総所得金額等」が200万円未満の方は、「総所得金額等の5%」を超えた分から控除が受けられます。例えば総所得が150万円なら、7万5千円を超えた分が対象です。
2.セルフメディケーション税制:市販薬の購入費
健康診断を受けていることが条件ですが、対象の市販薬を年間1万2千円を超えて購入した場合、その超過分が控除対象になります。ただし、通常の医療費控除とは併用できないため、どちらが得か計算して選ぶ必要があります。
3.ふるさと納税:ワンストップ特例の不備
ワンストップ特例の申請を期限内に忘れてしまった場合や、寄付先が6自治体以上にまたがる場合は、確定申告が必須です。申告をしないと、せっかくの寄付による税控除が受けられず、単なる「高い寄付」になってしまうので必ず手続きしましょう。
4.住宅ローン控除(初年度)
住宅ローンを組んでマイホームを買った最初の年(入居した年)は、自分で確定申告をする必要があります。会社員の場合、2年目からは年末調整で対応可能です。
5.雑損控除
台風などの自然災害や、盗難・横領によって資産に損害を受けた場合、「雑損控除」として税金の軽減を受けられる場合があります。詐欺や恐喝は対象外ですが、空き巣などは対象になり得ます。
6.特定支出控除
これは「会社員の経費」のようなものです。通勤費、転居費、研修費、資格取得費、単身赴任の帰宅旅費、そしてスーツ代や図書費などが対象です。ただし、これらの合計額が「給与所得控除額の2分の1」を超える必要があり、ハードルはかなり高いのが実情です。とはいえ、高額な自費研修などがある場合は確認する価値があります。
ー還付申告は、いつからいつまでに行えばよいですか?
「確定申告は2月16日から3月15日まで」と思われがちですが、税金を戻してもらうための「還付申告」は、実は翌年の1月1日から行うことができます。
さらに重要なのは、過去5年分まで遡って申告できるという点です。去年の医療費を申告し忘れたという場合でも、領収書さえあれば今からでも取り戻せます。心当たりのある方は、書類を整理して申告を検討なさってください。
◆正木由紀(まさき・ゆき)/税理士 10年以上の税理士事務所勤務を経て令和5年1月に独立。これまで数多くの法人・個人の税務を担当。現在は、社労士や司法書士ともチームを組み、「クライアントの生活をより充実したものに」をモットーに活動している。私生活では2児の母として子育てに奮闘中。
(よろず~ニュース特約ライター・夢書房)
