クリスマス「予定なし」54% 平均予算1万6千円 「自宅中心&低コスト」へ ケーキ人気は健在

 マーケティング事業を手がける株式会社インテージはこのほど、全国の15~79歳の男女5000人を対象に実施したクリスマスに関する調査結果を公表した。

 今年のクリスマスにかける予算を尋ねたところ、平均1万6418円で、前年比100.5%とほぼ横ばいだった。一昨年(2023年:2万2588円)から水準が低下したまま足踏み状態で、物価高騰を踏まえると実質的な支出は抑制傾向にあると言える。背景として、実質賃金の伸び悩みや生活必需品の価格上昇に加え、エネルギーコスト上昇なども要因となった生活防衛意識の定着が考えられる。生活者は「非必需支出」の見直しを継続しており、季節イベントの中でも従来盛り上がりを見せていたクリスマス関連消費でさえ、その影響から脱しきれていない状況だ。また、前年に続いてイブ・クリスマスとも平日であることも一因と考えられる。

 クリスマスのイベント予定を見ると、「予定はない」が54.1%で、前年(51.1%)から3ポイント増加。調査開始以来で最も高い水準となった。予定あり層の中でも行動は縮小傾向にあり、「プレゼントを購入(自分用含む)」は前年27.4%から26.0%に、「自宅でパーティー」も25.6%から24.2%に減少した。クリスマスのイベント全体が縮小傾向にあるようだ。

 予定がない理由については、「興味がない・習慣がない」が31.1%で最も多く、「お金をかけたくない・節約したい」「一緒に過ごす相手がいない」「仕事・学業などがある」などと続いた。義務的なイベントより日常の安定を重視する傾向が強まっている可能性もありそうだ。

 イベントの象徴ともいえるクリスマスケーキや料理の消費動向では、「ケーキを食べる」は全体の40.6%で前年(40.0%)とほぼ変動なし。イベント行動が縮小する中でもケーキの底堅い需要が見られた。ケーキ購入予算としては「3000~3999円」が最も多く29.7%。次いで「2000~2999円」「4000~4999円」で、前年と比べて大きな変化はなかった。

 クリスマス料理やケーキを食べる日(予定)として最も多かったのは「24日(水)」で57.9%、次いで「25日(木)」が21.3%だった。週末の20日(土)・21日(日)にも一定の需要(11.5%)が見られるものの、消費は平日である24&25日に集中している。カレンダー要因による「前倒し消費」が限定的で、外食や旅行などの高額消費が起きにくい構造になっていることを示している。この傾向は、クリスマスの過ごし方が「自宅中心・低コスト」へシフトしている背景とも一致している。今年のクリスマスの食関連消費は、一定の需要を維持しつつ、全体的には「短期間集中」「中価格帯中心」という特徴がうかがえる。

(よろず~ニュース調査班)

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