20年前「電気機器」 10年前「航空&食品」から“コンテンツの時代”へ 「27卒就職人気企業ランキング」
株式会社学情はこのほど、来年から就職活動を本格化させる2027年卒業見込みの大学3年生、大学院1年生(有効回答数1万5492件)を対象とした「就職人気企業ランキング」について、20年前、10年前のランキングと比較、人気トップ10企業の推移をまとめた。
20年前のランキングでは、トップはサントリー。前後も含めると2006~08年に3年続けて1位だった。2位のトヨタ自動車は03~07年に5年連続、3位の資生堂も06~12年に7年連続、7位JTBも02~07年に6年連続でトップ10入りする人気ぶり。資生堂は09~10年は1位だった。業種で目立つのは「電気機器」で、ソニーに加え、NEC(日本電気)、松下電器産業、日立製作所の4社がトップ10に並んだ。10社のうち8社をメーカーが占め、当時の日本の産業構造の特徴を反映した結果だった。9位の伊藤忠商事は、この年を皮切りに27年卒まで21年連続でトップ10入りを続けている。
10年前のランキングでは、ANA(全日本空輸)とJAL(日本航空)の航空2社がトップ2を占め、翌年も同じ順位となった。ANAは2016~19年の4年連続で1位。コロナ禍の直撃を受け21年卒から新卒採用を中止した両社だが、採用再開後、インバウンド(外国人旅行客)の活況もあって人気も復活。27年ではANAが14位、JALも26位に上がった。5位のオリエンタルランドは12年、6位のJTBグループも13年と15年で1位になるなど上位の常連となった。
トップ10から消えた「電気機器」と入れ替わりに増えたのは「食品」で、味の素、森永製菓、サントリーホールディングスが並んだ。10年代には常にランキングに入っていた大手銀行はマイナス金利政策などで業績が厳しくなり、17年の三菱東京UFJ銀行を最後にトップ10から姿を消した。
2027年卒業見込みの学生の人気1位は伊藤忠商事、2位は味の素、3位は東宝だった。20年以降は、任天堂、集英社、KADOKAWAなど人気コンテンツをもつゲーム会社、出版社が続々ランクイン。コンテンツ産業、エンターテインメント系企業がトップ10の常連となり、人気企業の勢力図は様変わりしている。
(よろず~ニュース調査班)
