カピバラ熱い長風呂対決 「うちは元祖」伊豆が7年ぶり奪冠

 静岡県伊東市の伊豆シャボテン動物公園が、第10回「カピバラの長風呂対決」で7年ぶり4度目の優勝を飾った。ポルが1時間58分38秒の長風呂を披露し、長崎バイオパーク(長崎県西海市)、那須どうぶつ王国(栃木県那須郡)、埼玉県こども動物自然公園(埼玉県東松山市)、いしかわ動物園(石川県能美市)を制した。担当飼育員は「うちは(カピバラ湯の)元祖なので、10回目の節目に勝つことができてうれしかった。みんなで『今年は勝ちに行こう』と話し合っていましたから」と、声を弾ませた。

 12匹のカピバラが露天風呂に気持ちよさそうにつかっている。8日の対決。落ち着いた表情で、静かに泰然自若とした女の子がポルだった。昨年は1時間28分4秒で那須(1時間44分36秒)に次ぐ2位。2年連続出場となった今年は、2位・長崎(40分15秒)に大差をつけた。「悔しい思いをしたので、昨年の自己記録、そして昨年の優勝記録を超えられて、1位になって良かったです」。元祖カピバラの湯に王座奪還をもたらした。

 同催しは2013年に長崎との2園対決で始まり、15年から埼玉と那須が加入。18年から石川が加わり、現在の5園対決になった。カピバラは寒がりで、冬は水の中に入ることができず、身を寄せ合って過ごしてたが、1982年に伊豆の飼育員がたまたまお湯を用いて掃除をしていたところ、小さなお湯だまりに群がるカピバラを見て、露天風呂が考案され成功した経緯がある。第1回からの3連覇以来となる第10回、節目の栄冠獲得に向け、並々ならぬ意気込みがあった。

 第4回から前回までは、那須が5回、埼玉が1回優勝。一般的に外気温が低いほどカピバラは長風呂になる。寒さが際立つ那須では、17年に4時間56分32秒という不滅の記録が樹立されている。伊豆では春先は38度程度になるというが、残雪がのぞく対決当日は露天風呂に注入する湯温を40~42度で調整。「カピバラは熱いと入らず、ぬるいと湯船で動き回ります。ポルはおとなしかったのですが、一緒に入っていた群れの動きを見て、調整していました」。“カピバラの気分次第”で結果は大きく左右されるとはいえ、ポルは昨年の実績に加えて「ビビリや好奇心旺盛なものもいますが、ポルはのんびり屋でマイペース。私たちの勝ちたいという気持ちが重圧にならないよう、普段通りを心がけていました」と、全幅の信頼を寄せていた。湯温調整も適切にでき、他のカピバラからのいたずらなど“邪魔”が入らないラッキー要素もあった。

 元祖への王座奪還。担当飼育員は、来年もポルに命運を託す考えを明かした上で「1位はうれしいですけど、来年は新たな目標に向かって頑張ってほしい。もう少しで届かなかった2時間を目指したい」と期待を寄せていた。

 ◆第10回の結果 【1位】1時間58分38秒、伊豆シャボテン動物公園、代表カピバラ 「ポル」メス、2020年5月31日生(1歳)体重:約40キロ 【2位】40分15秒、長崎バイオパーク、代表「青葉」メス、2014年6月28日生(7歳)体重:約60キロ 【3位】37分00秒、那須どうぶつ王国、代表「コブ」オス、2019年9月6日生(2歳)体重:約46キロ 【4位】8分58秒、埼玉県こども動物自然公園、代表「セリナ」メス、2018年10月30日生(3歳)体重:約45キロ 【5位】7分22秒、いしかわ動物園、代表「シータ」メス、2016年7月16日生(5歳)体重:約45キロ

 ◆過去の優勝園と記録 第1回(2013)伊豆1時間3分55秒、第2回(2014)伊豆1時間22分0秒、第3回(2015)伊豆2時間8分11秒、第4回(2016)那須1時間54分58秒、第5回(2017)那須4時間56分32秒、第6回(2018)埼玉1時間36分17秒、第7回(2019)那須3時間58分43秒、第8回(2020)那須3時間2分55秒、第9回(2021)那須1時間44分36秒

※ルール 各園の代表カピバラがお風呂に入った時点から出た時点までのタイムを計測 ※最短記録 第9回(2021)石川41秒

(よろず~ニュース・山本 鋼平)

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