藤井二冠、史上最年少&初の十代三冠達成も「年少記録は気にしていない。最終的にどれだけやれるか」

 藤井聡太二冠(王位、棋聖)が豊島将之叡王(竜王との二冠)に挑戦した、将棋の叡王戦五番勝負第5局が13日、東京・将棋会館で指され、藤井二冠が111手で勝利。対戦成績を3勝2敗として叡王位を奪取し、19歳1カ月という史上最年少および初の十代での三冠保持を達成した。

 これまで三冠を達成した将棋の棋士は、豊島竜王や羽生善治九段ら9人のみ。これまでの最年少は羽生九段が1993年の竜王戦で達成した22歳3カ月で、藤井新叡王は3年以上更新する驚異的な最年少記録となった。

 終局後、藤井新三冠は「序盤から積極的に動かれて対応できるかどうかという展開。かなり難しい中盤が続いていたのかなと」と大勝負となった一局を回顧。「ちょっと飛車を圧迫される感じになって、飛車を取られるとこちらの玉が薄いので、本譜のように(飛車を)切っていくのは少し精算がなかった」と話した。

 叡王奪取という結果については「まだまったく実感はないんですけど、フルセットは自分に取って初めてで、その中でこうして結果を出せたのは良かったかなと思います」と淡々。最年少&初の十代での三冠達成にも「本局に臨むにあたって、まったく意識はしてなかった。対局は続くので、結果のことは意識せずに前を向いて行けたら」と話し、「自分としては年少記録は気にしていないというか、最終的にどれだけやれるかの方が大事なのかなと思っています」と、さらに未来を見据えていた。

 5番勝負全体に関しては「シリーズを通して、結構際どい勝負が多かった。第4局はこちらが完敗だったので、内容的には課題を感じる部分もあったんですけど、フルセットまで指せて勉強になったシリーズなのかなと思います」と回答。豊島竜王とは竜王戦七番勝負でも対戦するが、「1カ月近く対局まであるので、その間にしっかり準備して臨みたいと思います」と意気込んだ。

 今シリーズはすべて先手番が勝利しており、今局の手番を決める振り駒が注目を集めたが、5枚中と金が3枚で藤井二冠の先手に。藤井二冠は今年度、先手番で13勝1敗、勝率・929という驚異的な成績を残しており、いきなりの“追い風”となった。

 戦型は相掛かりに。藤井二冠にとっては6局連続、対豊島戦では4局連続で同じ戦型となった。じっくりした戦いで昼食休憩までは完全に互角の展開。再開後、藤井二冠が少しずつリードを奪い、終盤では難解な局面を迎えながらも豊島玉を即詰みに討ち取った。

 新叡王となった藤井三冠は、これでタイトル戦の初登場からの連勝記録を5に伸ばした。豊島竜王には公式戦では初手合いから6連敗を喫したが、タイトル戦では王位戦、叡王戦と連勝し、通算成績も8勝9敗とほぼ五分に。“天敵”を完全に克服し、藤井時代の到来を明確に印象づける勝利となった。

(よろず~ニュース編集部)

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