女王・青木美沙子が明かすロリータファッションの神髄と悩み

 華やかさとかわいらしさを兼ね備え、政府による日本の魅力発信政策「クールジャパン戦略」にも取り入れられているロリータファッション。その第一人者として活躍し、2009年には外務省から「カワイイ大使」に任命されたモデル・青木美沙子(37)がデイリースポーツの取材に応じ、ロリータファッションの神髄や、受けがちな“誤解”などを赤裸々に語った。

■「普通」との戦い 外見が生む偏見

 高校時代に雑誌モデルにスカウトされて依頼、ロリータファッションにはまったという青木。そのイメージは当時と比べて「めちゃめちゃ変わりましたね。私も貢献して来られたのかな」と笑った。「最初は正直、マイナスのイメージしかなかった。私は好きでファッションとしてきてたのに、ちょっと変な人、普通じゃない人っていう扱いで…。『普通』との戦いでしたね。フリフリの格好なので、『お菓子の国から』とか『こりん星から』とか言われて…そういうつもりじゃないのに、外見に対する偏見が強かった」という。

 ロリータファッションの魅力については「自分のコンプレックスを隠せる。自信がない自分を、ロリータファッションをまとうことで、お姫さまになれる」と説明。「究極の夢の世界に入れるんです。アンチエイジングファッションというか、ずっと若くいられる気分を味わえるのは、ロリータしかない」と話した。

■麻生首相と“外遊”で感じた使命感

 「カワイイ大使」就任後は、麻生太郎首相(当時)とともにヨーロッパを訪れるなど、20カ国以上を訪問した。「海外では、ロリータファッションのお店が現地になくて、輸入したり自力で作ったり、日本より努力している感じがあって、熱量がすごく高かった。最初は趣味で始めたロリータだったんですけど、海外を巡ることで『使命』だなと感じることがありました」という。

 その経験でから、改めて日本の保守的な部分にも気づかされた。「例えば、ロリータファッションっていう目立った格好をしてる女の子とデートするのをいやがったりとか、人の目を気にしすぎる人は多いですよね。でも世界中のロリータのファンの子との出会いが、自分を変えてくれた。日本の大切な文化だし、それが衰退していないように、なんとか盛り上げていきたいという気持ち」と力説。「『一般的』とか『普通』じゃなくて、『自分が好きなものがベスト』という風に思ってほしいですね。もっと多様性が受け入れられる、『そういう生き方もあるんだ』とちゃんと耳をかたむけられるような…。ロリータファッションって、ある意味全部が逸脱してるんで、標的になりやすいんですよね」と苦笑いした。

■投資は1000万円超 言葉のイメージに悩みも…

 また「こだわりが強いファッションなので値段も高い。全身そろえるのには、かなりの金額が必要」だとも説明。500着以上を所有しており、「1000万円以上は余裕でつぎ込みました」と笑って明かした。「本当にこれで電車に乗るというのは、好きじゃないとメンタルが強くないとできない。私たちも毎日この格好をしてるわけじゃなくて、例えば世知辛い世の中、土日だけはお姫さまに生まれ変わって、気持ちを切り替えて新たな自分に生まれ変わるっていう感じです」と語った。

 また「ロリータ」という言葉の一般的な響きも、悩みの種だという。「ちょっと“アダルト系”というか、そっちの方がメジャーになってしまって…。『ファッション』ってつけないと、意味が変わってとらえられてしまう」と苦笑い。「ロリータファッションの方をメジャーにして、イメージを変えない。そのためにも、もっともっと頑張りたいです」と目を輝かせた。

(よろず~ニュース・福島大輔)

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