目立つテレ東の「選択と集中」“総合商社”目指さず…ワイドショーは「やる必要がない」

 独特の番組編成で数多くの“伝説番組”を生み出しているテレビ東京。人数や予算が限られる中で、他局にはない斬新な企画で人気を博している。同局の大庭竹修編成部長がデイリースポーツの取材に応じ、その「選択と集中」の極意を明かした。

 他のキー局と伍して戦える理由を、大庭竹部長は「『総合商社』じゃないからじゃないですかね」と回答。「例えばうちでは、芸能ニュースをやってない。結婚しただの離婚しただの不倫しただのというのは、一切やらないんですよね」と話した。

 その上で、「それはあえてやってないんですけど、やる必要がないなと思っていて、そういう意味で言うと、“総合エンターテイメント会社”ではないかもしれないですね」と説明。「他局さんて、朝の8時から夕方までワイドショーやってるじゃないですから、それをやらない。面積で言うと、ワイドショーの部分は相当広いんです」とし、その分の“戦力”を独自企画に振り分けていることを明かした。

 視聴者のテレビ離れが進んでいるとされる昨今。大庭竹部長も「Netflix」「Hulu」といった動画配信サービスについて「よくできてるし、結構見ちゃうんですけど、面白いなと思います。テレビ屋として面白いなというか、視聴者として面白いなと思うので、すごいなと思いますよね」と率直に語った。

 一方で、テレビとの“ライバル関係”については「単純に、いいな、面白いなと思います」とやんわり否定。「YouTubeも面白いなと思うものもあるし、全然面白くないなと思うものもある。驚異と言うより、面白いな。それによってテレビがダメになるとはあまり思わないですけどね」と言い切った。

 その真意を「テレビはテレビの面白さをもっと追求するべきだなと思います。子どもがテレビを見なくなっているのはテレビの問題であって、テレビに責任があるだけ。子どもが本ばかり見てテレビ見ないって、誰も文句言わないじゃないですか。本より面白くて役に立つ番組をつくればテレビに来てくれるんで、ライバルとかじゃなくて、テレビがもっと頑張らないとなとは思います」と説明。「テレビでしかできないことは、もうないんじゃないかなと。だけど、テレビが一番魅力的に伝えられる、効果的に伝えられるものはあると思う」と熱っぽく語った。

 さらに「TBSさんですけど、『半沢直樹』ってすごい視聴率だったんじゃないですか」と他局の番組にも言及。「みんな(テレビから)離れてはいないんですよ。YouTubeで見る人もいるでしょうし、いろんなデバイスで見る人いるでしょうけど、見はするんですよね」とし、「テレビって、まだ捨てたもんじゃないなという感じはありますね。面白いものをちゃんと作れば、みんな見るんです。テレビ離れをしているんだとしたら、我々の努力不足、実力不足という部分が多いのかなと」と自己反省も。やるべき事をしっかり選択して、そこに全集中する。テレビ東京の誇りが、大庭竹部長の言葉からも垣間見えた。(デイリースポーツ・福島大輔)

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