“ソンタク”について外国人も考えた

 「ニッポン愛&Sarah、s eye=第2回」

 最近、“ソンタク”という言葉が日本で話題になっているようです。私は1年間の交換留学で早稲田大学に通い、いったん米国に帰って、2012年に卒業してすぐ来日して5年。計6年を日本で過ごしていますが、この「忖度」(※)という言葉は初耳でした。

 空気を読むということなんでしょうかね。確かに日本独特の言葉だと思います。私が“空気を読めていない”というよりは、日本人が思う典型的な(オーバーリアクション的な)“ザ・外国人”というような反応が欲しいのか、外国人の視点から見た私のリアクションが欲しいのかの違いが分からない時があります。

 要するに、場面ごとにどんな「自分」が求められているのか、常に考えているわけです。もちろん勘違いというか、間違える時もありますけどね。日本人より日本人らしいとよく言われますが、最近は外国人である自分の立場を意識するようになりました。

 日本には、まだ一部なんでしょうけど“ニッポン第1”という考え方があるでしょう。トランプ政権をはじめ、世界中でも同じような流れが起こっていますので、私は複雑な立場なんですね。

 米国では移民に反対する動きが強くなる中、私は外国人を受け入れようという立場なんですけど、今は日本に住んでいますので、自分も移民という訳なんですね。グローバリズムの大切さをどう分かってもらえるかと思いながら、トランプが大統領になって残念な気持ちになっていますので、自分の居場所はいったいどこにあるんだろうって、さまよっている感じなんです。

 話が大きくなったので、身近なところにある日米の違いを。日本では、迷ったら、なんでも「すみません」と謝ればいいという感じですね。米国人はなかなか謝りませんから、その違いが大きいです。あと、日本ではマスクをしている人が多いということ。私もするようになりました。花粉症や病気の予防だけでなく、メークしてない時に楽というのもありますしね(笑)。

 (※)森友学園問題で注目されたキーワード。直接の指示はなくても、組織のトップなどの意向をおもんばかって事を進めること。英訳すれば、read between the linesなど。

 ◆プロフィール サラ・マクドナルド(Sarah Macdonald)1990年8月12日、米マサチューセッツ州生まれ。14年にNHK連続テレビ小説「花子とアン」でデビュー。女優としてドラマ、舞台、バラエティー番組などで幅広く活躍中。

 

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