九州温泉ねこめぐり第7回 鹿児島・妙見温泉「妙見石原荘」の三毛ねこロブー

 鹿児島空港から車で約15分の所にある鹿児島県霧島市の妙見温泉。霧島山系から流れでる天降川(あもりがわ)沿いにたたずむ温泉旅館「妙見石原荘」は、加水も貯槽もしない源泉100%の湯使いで知られる高級宿。玄関前でスタッフとともに出迎えや見送りをしてくれるのは、三毛の看板ねこ・ロブー(メス、推定13歳)だ。

 妙見石原荘は、1万坪の敷地内に7カ所の自家源泉を持ち、すがすがしい渓谷沿いに大浴場、3つの露天風呂、足湯を備える。泉質は、ナトリウム・カルシウム・マグネシウム炭酸水素塩泉。霧島火山帯にあるため、炭酸ガス(二酸化炭素)や炭酸ナトリウムが豊富に含まれ、血流を活発にし、美肌効果も。「一度入ると忘れられない温泉」というお客も多いという。

 支配人の中崎善道さん(43)は「当館では温泉を”なまもの(生きもの)”と捉えており、新鮮さにこだわっています」と語る。地下深くの源泉を浴槽まで引く配湯の方法によっては、湯に含まれる炭酸ガスなどの成分が変化してしまうこともあるが、「当館では熱交換器を用いて、自噴する源泉を加水も貯槽もせず、空気に触れさせることなく浴槽まで引いています。そのため、お湯の成分は変わらず源泉100%。霧島火山帯の豊かな自然な恵みをそのまま満喫していただけます」と胸を張る。

 2006年、そんなお湯が自慢の同館敷地内の片隅に、ロブーは現れた。それまであった古い木造の建物を解体し、石蔵の建設をしていたころのことだ。「迷いねこで、すぐそばの露天風呂の入り口に、ちょこんと座っていることが多かったんです。当時1歳くらいでした。すごく人なつこくて、お客さんにスリスリと寄っていくこともありました。そこで保護して当館で正式に飼うことにし、看板ねこを務めてもらうことになりました」と中崎さんは振り返る。

 名前は露天風呂で保護したので、「ロテンブロ」の「ロ」と「ブ」を取って「ロブー」に。そのうち誰が教えたわけでもないのに、時折、玄関入り口前に敷いてある玄関マットの真ん中に座り、宿泊者を出迎えるようになった。毛づくろいやしぐさが上品な三毛ねこで、次第に「宿に雰囲気がぴったり」と常連客の間で人気者に。顔の模様が「歌舞伎役者の隈取みたい」と呼ばれることもある。

 ロブーがいるのは主に本館ロビーのあたり。客室や食堂に行くことはなく、これまで宿泊者に迷惑をかけたことはない。小腹がすくとロビーの裏にある事務所に入ってきてエサをねだる。

 「ロブーは棚に飛び乗り、そこから座っているスタッフの背中をポンポンと手で叩くなどして、『おやつちょーだい』といわんばかりによく甘えてきます。スタッフはみんな、そんなロブーの訴えには勝てず、エサをあげてしまうため一時期かなり太ったことがあったんです(苦笑)。私もねこ好きなんですがロブーの健康のことを考えると、スタッフに『エサを与えすぎないように』と注意することもあります。だからなのか、ロブーは私にはあまり近寄ってこないんですよ」(中崎さん)

 若いころは敷地内を闊歩していたそうだが、いまは天気のいい日は窓辺の陽だまりで、のんびりと寝て過ごすのがお気に入りだ。「歳をとるにつれ、最近は同じ場所にいることが多くなりましたね。私たちにとってロブーは長年連れ添ってきた立派なスタッフの一員。これからも長生きして、お客さまを癒してほしいですね」と中崎さんは目を細めた。(デイリースポーツ特約記者 西松宏)*「妙見石原荘」鹿児島県霧島市隼人町嘉例川4376番地 電話 0995・77・2111

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