「びっくりしたなぁもう」誕生秘話

 本日は、わが三波家のキャッチフレーズとも言うべき「びっくりしたなぁもう」について。ちまた、諸説が飛び交っているが、このデイリー版が正伝であると最初に記しておこう。

 昭和四十年夏ごろ。未来の二代目伸介である伸一少年は1歳というのに、喜劇王の片鱗よろしく、ペラペラとしゃべっていた。口の早い子供だったのだ。記憶力も良く、言葉の身に付きも確かだった。ただし、あまりアクティブではなく、もっぱら座っているのが好きな学者タイプのようだ。ある日、座りながら祖母の土産である起き上がり小法師(ダルマのような転ぶとすぐに起きる玩具)を見ていた。

 ひっくり返ってもぴょんっとハネ起きる起き上がり小法師を見ては、ケラケラと笑い「びっくりちたナァもう」と繰り返し言っていた、伸一くん。若き日の父と母は「面白い事を言う子だねぇ」とほほ笑んでいた。

 親父はものまねが得意だ。人の口癖などは面白いとすぐに自分の中に吸収する。当然、「びっくりちたナァもう」は「びっくりしたなぁもう」で吸収された。

 夏の夜のキャバレー。プロレスネタで、てんぷくトリオはステージにいた。ネタは「エビとカニがプロレス技で戦ったらどっちが勝つ?」との親父の問いに、戸塚睦夫が「エビ固めでエビの勝ち」と答えるオチだった。しかしながら、本番で戸塚睦夫は堂々と「エビメ!」と答える。親父は「はっ?もう一度聞く、勝ったのは?」戸塚「エビメ!」すかさず小声で「エビ固め、でしょ!」とフォローを入れる伊東四朗。「えっ?何?聞こえないよ」と、これまた、堂々と言う戸塚睦夫。客席からは「聞こえてるぞ!」と声援が飛ぶ。

 「これじゃオチがつかないよ、どおすんだよ。それにしても、エビ固めをエビメって言う奴があるかよ!本当にお前には びっくりしたなぁもう!だ!」ドーッとウケる客席。

 ウケた本人も「?」とびっくり。これが両親から聞いた話です。初代が言ってんだから、間違いありません。オツカレ!

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