須田亜香里 模倣より個性 探求、努力続け“握手会の女王”

 SKE48・須田亜香里(30)の旅立ちの時が迫ってきた。5日にはグループ30枚目にして、須田が参加するラストシングル「絶対インスピレーション」が発売される。既に地元の愛知・日本ガイシホールで卒業コンサートを終え、卒業は11月1日。今作でグループでの選抜回数が歴代最多の27回目となった“握手会の女王”が、“究極”の握手完成への試行錯誤や、残される後輩への思いなどを明かした。

  ◇  ◇

 須田にとってのラストシングルは、メモリアルな一枚となった。SKEでの選抜回数は27回となり、歴代単独1位に。「年齢も30歳で30枚目」と、まずは語呂がいいことに破顔。続けて記録に言及し、「スペシャルな数字。たくさん選抜として歌えたんだなという、うれしいシングルですね」と喜んだ。

 13年のアイドル生活。じわじわと人気を獲得していった。「手が届きそうなアイドルというところが、私の魅力だったと思う」。その“届きそうな”を体現した一つが握手だった。ついた異名は“握手会の女王”。「全然、普通だぞと。私だけがすごいわけじゃないのに」と当時は困惑したという須田。認められた“握手”は試行錯誤の末に生まれた。

 当初は相手が痛がらないように優しく握っていたが、「握る力が弱いけど、やる気ないよね」と想定外の指摘をされた。「よかれと思っても、こういうことを言われるんだ」。探求心に火がつき、他のメンバーの握手会リポートを読み込むと、松井玲奈(31)の欄に目が留まった。

 「力を入れて握ると書いてあって。人気の人がそうなら、強く握っていたらいいんだ」。力加減の方向性が定まると、今度は自宅で母親を相手に「痛くないホールド感」を探した。左利きという特性を生かし、相手の右手を右手で握るのではなく左手で挟み、さらに右手を添えるという独特の型が完成した。

 「人気がある先輩は自分と何が違うんだろう。何を頑張っているんだろう」と先輩を観察し、劇場公演、握手会、ブログ、SNSの“4本柱”を懸命に取り組んできた。ファンの特徴などを記した有名な“須田ノート”は、今では15冊に。その前は「うれしすぎちゃって」と届いたファンレター全てをかばんに入れて持ち歩いていた。“ファン第一”を愚直に貫いてきた。

 握手ができないコロナ禍。「握手がない私って何者なんだろう。会いたいと思わないだろうなと思っていた」。だが、アクリル板を設置してのトーク会には、いつものファンが詰めかけてくれた。触れられなくても変わらなかった絆。「私と会えることに価値を持ってくれてた。人として向き合ってくれてたんだなと気付けて救われました」。これまでの自分が正しかったことを再認識できた。

 全て自分で考え、結論を出し、実行に移してきた。卒業コンサートを終え、11月1日の卒業まで1カ月弱。グループ最年長にグループの未来を問うと、しばし考え込み言葉を紡いだ。

 「先輩のようになれないとか、過去のSKEを追い求めすぎたり、超えられないと思っちゃったりするメンバーがいないようなグループになればいいな。現役でいてくれている人が全て。胸を張ってSKEを守ってほしい。らしさは後からついてくるものだから」

 センターを務めたのは、加入から11年後の「ソーユートコあるよね?」の1曲のみ。決して最前線で引っ張ってきたわけではないが、磨き上げた“オリジナリティー”で不動の人気を築き上げてきた。模倣より個性を-。言葉に力が宿った。

 ラストシングルには、自身の卒業曲「私の歩き方」も含まれる。「もらえる道のりを歩んできたんだな」としみじみと話し、「ここ数年、等身大の自分と向き合うことを大切にしてきた。それがいい形で届けばいいな」と思いをはせた。旅立ちまであとわずか。表情は、どこまでも晴れやかだった。

 ◆須田亜香里(すだ・あかり)1991年10月31日生まれ、愛知県出身。2009年11月の「SKE48第3期生オーディション」に合格。現在はチームEのリーダーを務める。選抜総選挙の最高位は18年の2位。握手会での神対応が話題で「握手会の女王」とも呼ばれている。愛称は“あかりん”。血液型A。11月1日に卒業し、同月上旬には約3年ぶりの握手会を開催。

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