女優・堀田真由（２４）が貪欲に活躍の場を広げている。２２日にはＷＯＷＯＷオリジナルドラマ初主演作「オカルトの森へようこそ」（金曜、後１１・３０、全６話）がスタートする。ＮＨＫ連続テレビ小説「わろてんか」「エール」、放送中の大河ドラマ「鎌倉殿の１３人」（日曜、後８・００）への出演で、すっかりお茶の間で親しまれる存在に。順調に演技派女優としての地位を確立していく過程で感じた葛藤、さらなる飛躍を期す思いに迫った。

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　所属事務所・アミューズの先輩である仲里依紗（３２）が主演したＷＯＷＯＷ連続ドラマＷ「テミスの求刑」（２０１５年）でデビューした少女が、確かな実力を蓄え主演として戻ってきた。

　主演作「オカルトの森－」は主観視点で描かれるホラー。「貞子ＶＳ伽椰子」「不能犯」などを手がけた白石晃士監督とタッグを組み、次々に襲いかかる怪奇現象に勇敢に立ち向かうホラー映画の助監督・市川美保役を熱演している。

　「私自身、『主演として引っ張っていこう！』というタイプではないので、演じる時は堀田真由ではなく、助監督の市川を役として生きようと心に決めて臨みました」と自信をのぞかせ、「デビューした時にお世話になったＷＯＷＯＷさんで、主演をできるのは感慨深いものがありましたね」とうなずいた。

　デビューから７年。オーディションを経てヒロインの座を射止めたアニメ映画「ブルーサーマル」が３月に公開。声優初挑戦ながらも、アフレコ特有の繊細な表現にも臨機応変に対応してみせた。「声を『いいね！』って言っていただくことが多くて。お話しすることも大好きなのでラジオ、ナレーションもやってみたいです」と夢を広げる。

　声の仕事だけでなく、舞台やミュージカルなど“生”の演技への挑戦も、今後の女優業を支える糧と考えているそうで「舞台はその場で返ってくる空気感もありますし、生の声が伝わるような舞台が経験できたら、また一つ成長できるのかな」と探究心は尽きない。

　親戚一同大喜びだったという念願の大河への出演は、自身にとっても、大きな意味合いを持つものとなった。「２３歳って周りが新社会人になるタイミングなんですよね。先に社会人になった身として、何か形として結果を残せているかを大事にしていた２３歳最後のタイミングで大河に出られたので、オファーをいただいた時はすごくうれしかったです」

　主演・小栗旬（３９）が演じる北条義時の正室・比奈という大役を演じているだけにプレッシャーを感じながらも、やりがいはひとしお。「（脚本家の）三谷（幸喜）さんが『比奈が理想の女性』とおっしゃっていて。そんな人物を私に託してくれたのがとてもうれしかったんです。私自身も大河に出たことで、時代劇の醍醐味（だいごみ）を感じたので、これを機に若い方にも見てもらえたら」と思いを込める。

　デビュー以降は、仕事第一にひた走ってきた。ヒロインを演じたフジテレビ系ドラマ「クロステイル～探偵教室～」と大河の撮影期間が重なり休みが全く無くなった際には、自身を見失いかけたという。「頭がパンクしそうになって。仕事だけしていても、女優としての幅が面白くなくなってしまうなと思ったんです。これまで『お休みをください』って言ったことがなかったんですけど、大河が終わったタイミングで初めて『ちょっと休みたいです』と事務所にお願いしました」

　つかの間の充電期間ではあったものの、“女優・堀田真由”として歩む道が明確になった。「やっぱり誰かの心を動かせるような瞬間に立ち会っていたいなって。頭でっかちにならず、自分の中での余白を大事にしながら焦らずゆっくりと。これからの２０代は、自分らしい女優人生を一歩一歩着実に進んでいけたらいいかなって」

　すっかり売れっ子となった今も、決して満足することはない。「ずっと不安ですね。毎回納得がいかないからこそ、もっともっと探究心を持っていきたい。息の長い、太い女優人生を送れるように２４歳は、自分に期待しています」。未来に胸躍らせる清純派女優は、演技に対する実直な姿勢を貫き、新たなステージへとステップアップしていく。

　◆堀田真由（ほった・まゆ）１９９８年４月２日生まれ、滋賀県出身。１４年、アミューズが開催した新人発掘オーディションに自ら応募し、３万２２１４人からＷＯＷＯＷドラマ賞を受賞。１５年に、ＷＯＷＯＷ連続ドラマＷ「テミスの求刑」でデビュー。ＴＢＳ系ドラマ「チア☆ダン」、日本テレビ系ドラマ「３年Ａ組－今から皆さんは、人質です－」など数々の話題作に出演。ファッション雑誌「ｎｏｎ－ｎｏ」専属モデルや、結婚情報誌「ゼクシィ」第１３代目イメージキャラクターとしても活動。特技はバレエ。身長１５９センチ。

　※ヘアメイク　菅井彩佳（ＮＩＣＯＬＡＳＨＫＡ）スタイリスト　小林新（ＵＭ）