西野七瀬 女優に恋して 乃木坂卒業から3年半 揺るがぬポリシー「悩んで乗り越える」

 映画「恋は光」で神尾楓珠の幼なじみの役を演じる西野七瀬(撮影・西岡正) 
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 元乃木坂46で女優の西野七瀬(28)が上昇気流に乗っている。ヒロインを演じた映画「恋は光」(17日公開)では、主人公に恋心を寄せる繊細な演技を披露している。2018年末に乃木坂46を卒業し、女優に転身してからオファーが止まらない売れっ子。今年の日本アカデミー賞で優秀助演女優賞と新人俳優賞をW受賞するなど女優として大成した“元アイドル”に話を聞くと、人一倍研究熱心で妥協しない素顔が見えてきた。

  ◇  ◇

 アイドルで培った表現力を生かし、女優に転身した。乃木坂卒業から3年半たった現在、グループ時代には見られなかった多彩な“顔”を披露し続けている。今作では「素に近い」というサバサバ系女子を演じ、恋に揺らぐ複雑な乙女心を表現した。

 役作りは雑談から生まれた。主演の神尾楓珠と雑談していたところ、小林啓一監督から「今の西野さんのその感じでやってみて」と注文がついた。西野は「サバサバしていて楽観的で女性らしいわけではない」という自身の性格と役柄に共通項を見つけ出し、「役作りは全然苦労しなかったです」と明かす。

 恋する女子が光って見える特異体質の大学生・西条の初恋を描く物語。西条に片思いする北代役として、昨夏の撮影でキャンパスライフを“謳歌(おうか)”した。役を通じて「すごいおしゃれなキャンパスで、ここに通っている学生さんはいいな」、「恋っていいなと改めて思いました」と、一つの青春を疑似体験した。

 恋とは何かという今作のテーマにちなみ、恋を「会えないところでその人のことを考える時間があるかどうか」と定義。初恋は小学生の時で「クラスの中でも親しみやすいかわいい男子だった」と懐かしげに回想し、実際に恋をしたらどうなるかについて「楽しくてお仕事を頑張れるタイプ」と自らを分析した。

 普段から恋バナをするのかと問うと「女子が集まると恋バナしますよ。恋に重きを置いている友達は多くないけど、恋バナを聞くのは楽しいし、恋愛観を話すのも楽しい。これは許せる、これは許せないとか。話は尽きないですよね」。等身大の自分として恋愛トークを楽しんでいる。

 とはいえ、恋愛は「タイミングがあれば」と“リア充”とは言えず、現在は増田こうすけ氏の「ギャグマンガ日和」という人気漫画に片思い中。「増田先生が漫画家になるまでの話をコミックエッセーで出されたのですが、めっちゃ面白くてステキ。もっと好きになりました」。今作の現場でも漫画やお笑いなど、趣味をきっかけに共演者との仲を深めたという。

 乃木坂卒業からの女優として歩んだ3年半の道のりを「すごく楽しくて充実していた。グループの時とまた違ったタスクが面白い。慣れないこともあるけど、楽しく過ごしているなと思います」と振り返った。知れば知るほど魅力にハマる女優という職業に“恋”をしている。

 ドラマ「あなたの番です」の黒幕役や、映画「孤狼の血 LEVEL2」のスナックママ役など話題作で難役を演じ、日本アカデミー賞の優秀助演女優賞を獲得。女優としてのイメージが定着した。飛ぶ鳥を落とす勢いの活躍ぶりにも「壁にぶつかりまくっています。毎回(作品に入るたびに)悩みますね」と謙虚さは忘れない。

 研さんを積み重ねる上で「悩んで乗り越えていくのが一つの楽しみでやりがいになっている。自分が決めたことだから逃げたくないし、自分の中で消化したい」と揺るがぬポリシーを持つ。多忙な撮影スケジュールをこなすために健康管理も「不調の原因は何か考えて、それを改善するのも楽しい」と人一倍こだわりまくっている。

 乃木坂46は今年デビュー10周年。2011年8月に1期生として加入した西野は、5月15日に行われた乃木坂デビュー10周年記念ライブにサプライズ出演した。後輩たちへの思いを求めると「私はそんなもう何も言えないです」と遠慮がちに答えながら「大きくなってほしいという気持ち」と背中を押した。

 乃木坂出身メンバーは、白石麻衣、生駒里奈、生田絵梨花らが女優として活躍。作品は違えど、同じ分野で活躍する現状に「良いことだと思う。お互い違うところで頑張っているから、自分ももっと頑張ろうという気持ちになる」と仲間の飛躍が刺激となっている。

 女優として努力を重ねる西野は「一個一個出会う作品を大切にやっていきたいくらいで、具体的な目標はない」と、未来はあえてノープランと設定。研究熱心な長所を生かし、あっと驚く新たな素顔を日本中に見せていく。

 ◆「恋は光」 2013~17年まで「ウルトラジャンプ」(集英社)で連載された秋★枝氏の同名漫画が原作で、恋する女性が光って見える特異体質の男子大学生・西条(神尾楓珠)の初恋を描く。メガネで堅物な西条に片思いする幼なじみ・北代を西野が演じた。主演の神尾との共演について「年下で男の子だからどう接すればと思ったけど、かなりフレンドリーでテンション感が似ている。ローテンションですね」と共通点を明かした。

 ◆西野七瀬(にしの・ななせ)1994年5月25日生まれ、大阪府出身。2011年、乃木坂46の一期生オーディションに合格しデビュー。中心メンバーとしてグループをけん引し、18年末に卒業。翌年2月の卒業コンサートで乃木坂としての活動を終了。転身後はドラマ「あなたの番です」(19年)での怪演が話題に。映画「孤狼の血 LEVEL2」(21年)で日本アカデミー賞の優秀助演女優賞と新人俳優賞をW受賞。

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