イケメン声優・宮野真守“声力的”に活動 ライブに俳優、舞台、バラエティー番組などにも出演

 声優アーティストの宮野真守(36)が、歌手活動やミュージカル、バラエティー番組への出演など、“本業”の枠を超えた幅広い活躍で人気を博している。今年5月に始まった初アジアツアーでは、激しいダンスと、パワフルな歌声で約7万人を動員。11月からはミュージカル初主演となるブロードウェイ作品「ウエスト・サイド・ストーリー」(11月6日~2020年1月13日まで、東京・IHIステージアラウンド東京)が控える。「声」で数々のファンを熱狂させてきた宮野が、自身の心を語り尽くす。

  ◇  ◇

 9月8日に横浜アリーナで幕を閉じた初のアジアツアーでは、台湾や上海を含め9都市14公演を駆け抜けた。

 「歓迎ムードに背中押されてテンション上がって、1曲目から疲れちゃうみたいな状況に陥った」

 異国の地でも宮野魂を見せつけたが、海外ならではの体験に、心地よい戸惑いを覚えた。

 歌手としては2008年にデビューし、昨年10周年を迎えた。10代から平井堅やEXILE、CHEMISTRYらに影響を受け、声優で培った豊満な表現力を武器に幅広い音楽を展開。5月には約2年半ぶりのシングル「アンコール」を発売し、作詞も行った。

 09年から開始したライブ活動では「いまだに緊張する」というが、舞台に上がり“マモコール”を聞くと一瞬で吹き飛ぶという。

 「まあ気持ち良い。出るときカッコつけているときもあります。皆さんの声を聞くと思わず口元ニヤッとしちゃって、そこでスイッチが入る」

 兄の影響で7歳のときに劇団ひまわりに入団したが仕事に恵まれなかった。何かを「やりたい」気持ちを持ったままレッスンを受ける日々。しかし高校三年生のとき、「声優」というそれまで触れてこなかったジャンルのオーディションに誘われ、合格を勝ち取る。

 「奇跡的に監督さんに拾ってもらって、そこで1年間(声優の)ノウハウを覚えた。そんな咲き方あるんだって。その花を見逃さずにちゃんと水をあげて、育てた結果、そこからいろんな種が生まれた」

 以降、アニメ「DEATH NOTE」の夜神月役や、「機動戦士ガンダム00」の刹那・F・セイエイ役などで注目を集めた。近年は声優の枠を飛び越え、俳優や、ナレーション、舞台などにも挑戦。日本テレビ系「しゃべくり007」や、同局「ウチのガヤがすみません!」などのバラエティー番組に出演し、世間から「宮野真守」が少しずつ認知され始めている。近年、声優が表舞台に立つようになったが、宮野もその先駆けの1人だ。13年10月に男性声優で初の日本武道館ソロ公演を成功させている。

 ステージでのMCやテレビ出演時のフリートークも磨いてきた。ファンからも“口達者”と呼ばれるほど。ライブでは企画から出演も行う「スペシャルムービー」というお笑いVTRが好評。文化放送「宮野真守のRADIO SMILE」のパーソナリティーとしても人気だ。

 「(ライブにおいて)歌だけで魅せていくことに不安もあった。でもせっかく面白いこと好きなんで、僕も楽しんでやっている。(以前は)ずっと大声。やり方が分からなくて、内容がゼロ。ただただ大きな声ではしゃぐだけだった。林原めぐみさんの『トーク力』に憧れました」

 「新世紀エヴァンゲリオン」の綾波レイ役で知られる声優界の大先輩のスタイルに憧れ、リスナーからのメールやハガキを収録前に約2時間かけて読み込み、自身のネタを混ぜた奥深いトークを展開している。

 喉が「命」。休息も自身で管理し、自宅でのリラックス方法にもこだわりがある。

 「単純にむちゃはしない。当たり前ですが、できる限り睡眠はとる。平均2、3時間ってことはない。テレビっ子なので、ただただバラエティー見て笑うみたいな。その時にちょっとお酒飲んでとかね」

 喉以外のパーツも気を使う日々だ。182センチの長身ボディーを適度に仕上げてきた。ステージで繰り広げるキレキレダンスのため、そして健康のために体力作りにも気を抜かない。

 「一時期はベンチプレスをすごくやってたけど、最近は体幹メイン。体力が衰えてきちゃうお年頃なので、日常的に行っていることですね」

 11月のブロードウェイミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー Season1」では主演に抜てき。ブロードウェイ作品初出演&初主演ミュージカルで、よりいっそう気合が入る。

 「ミュージカルという、この木をちゃんと満開にさせられるような存在にならなきゃ。今はここにまっすぐ向かっていきたい」

 これまでも自身の“好き”を仕事にしてきた宮野。

 「好きこそ物の上手なれってよく言うけど、それがないと本質を見失う。でも、大事なのは『そう、うまくはいかないぜ』ってこと。ただ一生懸命やると自分でも“予期せぬ花”が咲いている。それこそ桜みたいなもので、満開になったときもあるけど、いつの間にか散っている。でもきっとまた満開になる」

 来年6月には、男性声優初となる埼玉・メットライフドームでの公演を控える。今後も宮野は“本業”と、それ以外の世界で、季節外れの桜を咲かし続ける。

 ◆宮野真守(みやの・まもる)1983年6月8日生まれ、埼玉県出身。愛称は「マモ」。幼少期から家族ぐるみでゲーマー。学生時代はサッカー部。01年に米ドラマ「私はケイトリン」のグリフェン(ジェレミー・フォーリー)の吹き替えで声優デビュー。ゲーム・アニメ「うたの☆プリンスさまっ♪」シリーズの一ノ瀬トキヤ、ハリウッド映画「ファンタスティック・ビースト」シリーズのニュート(エディ・レッドメイン)なども担当した。08年にはシングル「Discovery」で歌手デビュー。舞台「『髑髏城の七人』Season月〈下弦の月〉」で主演するなど多角的に活動している。

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