前田敦子 不倫愛熱演“ひと皮むけた”

 主演ドラマ「毒島ゆり子のせきらら日記」で熱演中の前田敦子=赤坂のTBS(撮影・田村亮介)
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 元AKB48で女優の前田敦子(24)が、アイドル卒業から4年、新境地を切り開いた。TBS系主演ドラマ「毒島ゆり子のせきらら日記」(水曜、深夜0・10)で、濃厚キスやぬれ場など過激なラブシーンに初挑戦。なまめかしい演技で視聴者を魅了している。“覚醒”の裏には、同じくアイドル出身で、実力派女優として不動の地位を築いた先輩の金言があった。

 ◇   ◇

 女優としてひと皮むけた-こう表現しても、過言ではないだろう。恋愛禁止をおきてとし、清廉性が求められる人気アイドルグループの元絶対エースが、イメージをかなぐり捨てた。『深夜の昼ドラ』とキャッチフレーズがつけられた主演作で、体を張って“愛”を表現している。

 「どうして私の名前を挙げてくれたのか、不思議には思いました。『私、絶対エロくないぞ』って。でも、大人の世界の作品に、爽快に飛び込めました。変に構えちゃう瞬間もなかったので。結果的に皆さんに楽しんでもらえてるのは、自分にとって強みになると思います」

 “脱アイドル演技”も話題となり、同枠ドラマでは歴代最高視聴率も記録した。

 「-せきらら日記」で前田が演じる新聞記者の毒島ゆり子は、二股にも抵抗がない超恋愛体質。2人の恋人がいる上、ライバル紙の記者で妻子がいる小津翔太にもひかれる。肉体関係に発展し、不倫愛を深めていく。

 「撮りながらびっくりすることもありましたね。ここまでやるんだって。キスだけじゃなくて、どんどん過激になっていったので。撮影現場ではHな言葉も飛び交って、私、あまり知らなかったので『それ、何ですか?』ってことも、たくさんありました。新井さんにいっぱい教えてもらいました」

 新井さんとは、不倫相手・小津役の新井浩文。前田にとってはドラマ「ど根性ガエル」での共演をきっかけに親交を深め、プライベートで食事に行くこともある良き兄貴分だ。

 「新井さんが一緒にやってくれると決まった時点で、普段から仲がいいので、不安やちゅうちょはすごいありましたね」と大笑いしながら告白。「お互い、私情的な気持ちは絶対ないという信頼関係があるので、役に入り込みやすかったのかな。新井さんには『キスシーンのとき何食べてもいいよ、ニンニクでも』と言われました」

 恋人役での共演がきっかけで恋が芽生えるケースも多いが、前田の恋愛観とは異なる。

 「どうしたらそうなれるんだろう。たくさんの方が見てる前でそういうシーンを撮ってたわけだし、恥ずかしくなっちゃいますもん。私がまだ子供なのかもしれませんが」

 新井に対しても「一生ないでしょう!!」と断言しつつ、「これからもいろんな作品をご一緒したいので、だからこそプライベートでは絶対何もありたくない人」

とフォロー?した。

 主題歌も担当し、ソロ歌手デビューから5年となる22日に発売される、ファーストアルバム「Selfish」の表題曲になった。『一度寝たくらいで彼氏気取りは疲れる』などドラマに合わせた歌詞は、AKB時代から師事する秋元康プロデューサーが手掛けた。

 「秋元さんは歌手活動を応援してくださっていて、いつも励ましの言葉をくださる。今回の曲ができあがった時にも、『前田が歌い続けるんだったら、僕は歌詞を書き続ける』とメールをくれて。歌手も一生やりたいなと思った瞬間でしたね。ファンの人と会える唯一の場所が、ライブでもあるので」

 昨年12月にAKBが10周年を迎えたことや、今年4月に初代グループ総監督・高橋みなみが卒業したことで、昨年末から今春にかけて古巣のイベントやコンサートへの出演が相次いだ。

 「AKBって動きがすごい速いので、久しぶりにやるのは楽しいけど、ずっとやるのは大変だなと思いました。現役メンバーの大変さが客観的に見えましたね。みんな頑張れと心から思います」

 “暫定復帰”を終え、あらためて後輩たちにエールを送る。

 2度、1位に輝いた「選抜総選挙」の開票が18日に控える。

 「出馬を選べる環境になったことは、苦しいと思うんですよ。(立候補制ではなかった)私たちは、有無を言わず出なきゃいけなかったので。選べる環境の方が絶対につらい。そういう気持ちの頑張りも、報われてほしい」

 悲喜こもごもの舞台裏を熟知しているだけに、思いも強い。

 ドラマ、映画、舞台と経験を積み、“女優友達”もできた。NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」でヒロインを演じる高畑充希は、真っ先に名前が挙がる1人だ。ドラマ「Q10」での共演を機に意気投合。同作の共演陣は「ブス会」と称して定期的に集まっているが、中でも高畑とは月1回のペースで会うという。

 「みっちゃんが『ピーター・パン』の舞台をやってた時、『もっとドラマにも出たい』と言ってたのを覚えてて。それが今、大活躍してるのがすごくうれしくて。みっちゃんは『どうにかなるっしょ』と開き直って、どんどん突き進んでいける子なので、そこがすごくカッコイイ。私はへこたれると、電話してしまいます」

 仲間もいれば、憧れもいる。2年前にドラマ「LEADERS リーダーズ」で1シーンだけ共演し、11日にスタートしたWOWOW連続ドラマ「グーグーだって猫である2」(土曜、後10・00)で再共演した宮沢りえだ。“アイドル出身女優”という肩書を共有する存在でもある。

 「りえさんから『どうしたら監督が笑ってくれるか、いつも考えてるの』と聞いて、私、そんなこと考えたこと今まであったかなって。監督の期待に応えたいとはもちろん思ってましたけど、身近な人に楽しんでもらうっていう考え方を聞いたとき、もう1回見つめ直さないとな、と思えました。周りの人たちと楽しくお芝居するのが1番大事だなって」

 「グーグー」は「毒島」よりも先に撮影。

 「お芝居って、台本にある1つのセリフじゃないですか。それをどうやったら自由度が高まるのか、りえさんを見て勉強になりました」

 学んだことをすぐに実践し、「毒島」では台本の読み方から変わったという。

 同じ境遇だからこそ分かち合える時間もあった。

 「お互いの昔の映像を見合うのが、すごく楽しくて。りえさんは自分が歌って踊る昔の映像を、全然恥ずかしがらず、一緒に見てくれるんですよ。過去を楽しいものとして、包み隠さずいてくれるのが、自分にとって励みにもなります」

 追いかける背中がある。前田敦子は人気アイドルから実力派女優への道半ば。“大人の演技力”にさらなる磨きをかけていく。

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