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【大橋未歩】19歳と命のありがたみを語り合う パラ五輪目指す卓球・友野有理選手

 「大橋未歩のたまたまオリパラ!」

 「命があって良かったね」と言ったら「大橋さんも」と人懐っこい笑顔を浮かべてくれたのはパラ卓球の友野有理(ともの・ゆり)選手。パラリンピックを目指し、日体大で健常の選手とともに練習に励む。

 まだあどけなさの残る19歳と命のありがたみを語り合う。何故なら私たちは若年性脳梗塞仲間。不思議と漂う親近感が私たちをつなぐ。柔和な笑顔と言葉に滲(にじ)む芯の強さは元来の性格だろうか。それとも稀有な経験が彼女を形作ってきたのだろうか。

 友野選手は5歳から卓球を始めて、小5で出場した大会中に脳梗塞を発症し倒れた。「気づいたら病院のベッドで。でもまず思ったのが、試合戻らなきゃ!だったんです」。それぐらい卓球に打ち込んでいた少女の利き手である右手には脳梗塞による後遺症が残った。今はラケットを左手に持ち替えて世界と戦っている。瞳をキラキラさせながら言う。「東京パラリンピックはもちろんですが、4年後のパリも見据えています」。命が有限であることを身をもって知る彼女にとっての目標の重さは計り知れない。

 「孫よ。孫くらいの子達と一緒にやってんねんから嫌になるわあ」。笑顔が弾けた。リズミカルな関西弁に乗せられて、トレードマークであるカラフルな蝶の髪飾りも蜜を求めて飛び立ってしまいそうだ。72歳のパラ卓球日本代表である別所(べっしょ)キミヱ選手。「練習は朝から晩までずっとやってるけど、全然時間が足りないのよ。1日36時間くらい欲しい」

 彼女が車椅子に座りながら繰り出す決め球を返球できる選手はきっとどこにもいない。だって、相手コートのネットすれすれで弾んだかと思えば、ブーメランのように別所選手側に返ってくる奇跡の回転をかけているんだから。車椅子に乗る分、相手選手もネット際にラケットが届かない。それを逆手にとった戦略を日夜研究する。「でもこの歳になってやりたいことがあるって、ほんま幸せやなあって思うんよ」

 2人の代表内定の発表は新緑が芽吹く頃だ。

 ◆大橋未歩(おおはし・みほ)1978年8月15日、神戸市出身。フリーアナウンサー。2002年入社のテレビ東京時代にアテネ、北京、ロンドン五輪を取材。18年にパラ卓球アンバサダー就任。19年から「東京2020パラリンピックの成功とバリアフリー推進に向けた懇談会」メンバー、パラ応援大使でも活躍。

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