がん死の「バットマン・フォーエバー」監督、性自認ゆえの悔い「私には借りがある」

 ジョエル・シュマッカー監督が死去した。80歳だった。『セント・エルモス・ファイアー』や『ロストボーイ』などで知られるシュマッカーが、1年に渡るがんの闘病生活の末他界したことをスポークスパーソンが明らかにした。

 22日(月)に発表された声明にはこう綴られている。「『セント・エルモス・ファイアー』『評決のとき』『依頼人』『タイガーランド』の監督、フィルムメイカーのジョエル・シュマッカーが1年のがんとの闘病生活の末、今朝静かに息を引き取りました。彼は、友人や共同製作者から愛情を持って思い出されることでしょう」

 1995年作『バットマン・フォーエバー』や1997年作『バットマン&ロビン/Mr.フリーズの逆襲』といった「バットマン」シリーズでも知られたシュマッカ-は、生前自身がゲイであることを公言しており、ティム・バートン監督が前2作で大成功を収めた後同シリーズを降板したことを受けて引き継いだ時、タイトルロールであるバットマンとロビンとの関係に同性愛的な要素を持ち込んだと指摘されたこともあった。それに対し2017年、シュマッカーは「がっかりした全てのファンに謝りたいですね。私は彼らにその借りがあると思いますから」と話していた。

 その後、アンドリュー・ロイド=ウェバーのミュージカル『オペラ座の怪人』の映画化作品を監督し、アカデミー賞3部門でノミネートされた。

 晩年には、2013年にネットフリックス番組『ハウス・オブ・カード 野望の階段』の数エピソードでメガホンをとっているほか、5つ星ホテルで起こった犯罪を追うドキュメンタリー番組『ドゥ・ノット・ディスターブ:ホテル・ホラーズ』の製作総指揮も務めていた。

 また、1999年のインタビューで、若い映画監督へのアドバイスを求められた時には「大胆に、リスクを恐れず、直感を信じ、他人の意見は、それが正しいと心から信じられる時だけ耳を傾けること。素晴らしいキャスト、そして君が監督であることに対して嫉妬しない撮影技師や編集者を選ぶこと。君ならできるよ」と答えていた。

 今回の訃報に、映画界からは数々の追悼メッセージが寄せられており、1996年作『評決のとき』に主演したマシュー・マコノヒー(50)は、故人のおかげで自身が映画界で成功することが出来たとして「当時ジョエル・シュマッカーが僕を信じてくれなかったら、僕のキャリアが素晴らしい様々な場所へたどり着くことはなかっただろう」「ジョエルは僕に賭けてくれたばかりでなく、僕のために戦ってくれた」と綴っているほか、ジム・キャリーやミニー・ドライバー、映画監督のエドガー・ライトなども故人を偲ぶ言葉を投稿している。(BANG Media International/デイリースポーツ)

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