世界的映画監督の映画鑑賞のこだわりは?「何も知らずに…」

 マーティン・スコセッシ監督は、映画を見終わるまで、その作品を撮った監督について知りたくないのだそうだ。現在開催中のニューヨーク映画祭でのイベントで、スコセッシはジョアンナ・ホッグ監督の『家族の波紋』を引き合いに自身の映画鑑賞におけるこだわりを語った。

 「ホッグは素晴らしいね。彼女のことは知らなかったんだ。誰があの作品を作ったかも知らなかった。監督が男なのか女なのかもね」「何も知らずに、誰が作ったとかも知らずに映画を見るって素晴らしいよ。見終わってから知るんだ。作品自体をアートとして見なすことができるから」

 さらにスコセッシは、映画作りには「欲望と固執」が必要で、良い作品ではないかもしれないものが良いアートである場合もあると続けた。「映画がうまくいく、いかないって、誰にとってなんだって思うね」

 また、スコセッシは今年の映画祭後に退任することになっているニューヨーク映画祭のディレクター、ケント・ジョーンズに対し、称賛のコメントを送っている。「1963年にこの映画祭が始まった時にはチケットが買えなかったんだ。この映画祭はニューヨークで起こった最も素晴らしい出来事だったと思う」「最初の何年かには特別な高揚感があった。君がここに戻って来てから、またそれを感じるようになったよ。映画への本物の愛だね。今までこの映画祭で感じてきたよ」(BANG Media International/デイリースポーツ)

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