リトル・リチャードが歌手活動から引退するようだ。派手な衣装に凝った演出のショーでその　パワフルなショーマンシップを見せつけ、ロック界の先駆者として名高いリチャードは８０歳となった今、音楽業界から引退するつもりだとローリング・ストーン誌に明かした。「もうやりきったよ。この業界ではね。今はもう何もしたくないんだ」

　リチャードは最近では坐骨神経痛や臀部退行変性などを抱えていて、健康面も心配されている。これまで時折パフォーマンスを行っていたリチャードだが、昨年のステージでは観客に向かって、「神よ、どうか私をお助け下さい。もう息をするのもやっとです。ひどいもんだ」と語りかけ、それ以降はパフォーマンス活動を停止していた。ただ、今年３月のビバ・ラスベガス・ロカビリー・ウィークエンドではヘッドライナーを務めていて、結果的にはそれが最後のステージとなってしまった。当時そのショーでリチャードは観客に、臀部を負傷していて、医師たちに高齢が原因で手術を乗り越えられないだろうと宣告されたと話していた。したがって歩行も不可能になってしまったものの、それでも命があり、こうして歌えることを幸せに感じていると続けている。

　現在リチャードは主に洋服のデザインや祈りを捧げることに時間を費やしているというが、人々が自身の功績をどのように受け止めているのかということに思いを馳せることもあるという。「俺がショービズの世界で仕事を始めた時には、まだロックンロールなんてもんは存在しなかったんだ．．．だから、そこに俺のレガシーがあるって言えるはずさ。『トゥッティ・フルッティ』を発表した時、その時こそロックが本格的に誕生した瞬間なのさ」

（ＢＡＮＧ　Ｍｅｄｉａ　Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ）