たくろう 仕事が「体感500倍」だったM-1チャンピオンイヤー 現役王者が感じた“危機感”の理由を明かす 

M-1王者になり一躍脚光を浴びるたくろうの赤木裕(左)ときむらバンド(撮影・棚橋慶太)
たくろう万博を開催するたくろう・赤木裕(左)ときむらバンド(撮影・棚橋慶太)
2枚

 伏兵が一夜にしてスターへと変貌した。お笑いコンビ・たくろうが「M-1グランプリ2025」で戴冠して約1年。仕事量は「体感500倍」に激増し、怒濤(どとう)の日々を駆け抜けている。チャンピオンイヤーの“締めくくり”として、赤木裕(35)のボケから生まれた大型イベント「たくろう万博」(7~8日、大阪・万博記念公園もみじ川芝生広場)を開催する。イベント間近で多忙な2人にこの1年を振り返ってもらうと、浮かび上がったのは意外にも新王者誕生を前にした「危機感」だった。

 取材時は「M-1グランプリ2026」の大阪3回戦の結果発表直後だった。赤木は「19時…3回戦の結果やな」とぽつり。きむらバンド(36)も赤木のスマホをのぞき込み「見てもいいですか?」と記者に断り、マネジャーと3人で確認。「特に大阪は仲間もいっぱいいるし、めっちゃ気になります」。昨年まで戦った舞台だけに、仲間の結果は気が気でない。

 今年からは王者として見守る立場。赤木は「今日なんかめちゃくちゃ緊張する日やったはず」と思い起こし、「これくらいの時期の過ごし方が分からない」と、大会を卒業したからこその戸惑いを苦笑いで明かした。

 優勝から3時間で仕事のオファーが100件超殺到。生活は一変した。4月に東京進出もしたが、観光する暇もなく仕事と自宅を往復する毎日だ。きむらは優勝前を「週3~4仕事で、夕方からのライブ1本出たら終わり。昼まで寝れるようなスケジュール」と振り返り、現在の仕事量は「体感500倍」と語る。

 休みも「1カ月に1回を赤木が希望する。通れば月1回。僕はその間にボートレースの仕事」と実質ゼロ。「とんでもないことが起きてるのに連チャンしすぎて、どれがすごかったのか覚えられてない1年」と振り返り、赤木も「芸能界という川に急に投入されてさまよってる」と表現した。

 そんな多忙を極めたチャンピオンイヤーの“締めくくり”が「たくろう万博」。大阪・関西万博に何度も通った赤木が、優勝賞金1000万円の使い道として口にした「万博を開催したい」というボケが現実に。お笑いステージから「パビリオン」「盆踊り」も盛り込む大型イベントとなる。

 万博開催当時、2人はまだ全国的には無名だった。多くの芸人が仕事で出演する中、きむらは「僕らは仕事で1回も行ったことない」と回想。それだけにイベントは「『ほんまにやんねや』って人ごとみたい」と実感が湧かない。赤木も「現実味がない」とし「人生でもかなり大きい仕事の一つになりそうなんで成功させたい」と意気込む。

 激動の1年を走れたのは、現役王者でいられる期間が限られている自覚からだ。きむらは「チャンピオンでいられるのはこの1年しかないと思うと頑張れてる」と原動力になっていると説明。赤木は仕事が「もちろん好きじゃない」とした上で「『今年は働くぞ』って感じで働いてる」と強調。「毎日お金が降ってくるなら100パーセント辞めますし、降ってこないんで働くしかない」と笑った。

 来月には新王者が誕生する。注目が移る寂しさについて、きむらは“先輩王者”のマヂカルラブリー・野田クリスタルから「ちょっと寂しさはある」と聞いたという。「そりゃあるんかなとは思うけどまだ全然分からない」と胸中を明かす一方、今年の活躍が“V特需”という認識から、今後への危機感が「全然ある。なんせ余裕はないでしょうね」と明かした。

 赤木は「新チャンピオンが生まれるまでに『居場所』を見つけないとなと思う」と吐露。「漫才師としての個性はあるけど、まだタレントとしての個性は見えてない。今はM-1という色でテレビにいっぱい出てる状態。M-1チャンピオン以外にまだ何もないので」と冷静に分析した。

 その一つとして赤木が思い描くのが“CM王”だ。M-1のネタ中に登場した企業のCMにも相次いで出演したことから「たくろうと言えばCMの人になれれば良いかなと。そういうイメージが世間につけば企業さんも使いやすいと思うんで」と意欲満々。きむらは「ほんならライバルは綾瀬はるかさんとかになってくんで?」と笑った。

 さらに「海外で漫才したい」と世界進出にも意欲。自らのテンパる芸風を引き合いに「僕のニュアンスって海外でなんだかんだのみ込めるんじゃないかな」と推測し、進出先に米国を指名。「きむらさんもほんまにスピードラーニング程度の話でもいいんで、ちょっとずつやるように」と相方に英語学習も要求した。

 2人にとって「売れる」とは何か。きむらはSNSで大金を稼ぐ者もいる時代に答えを迷いながら「完全にテレビで育ってるんで、テレビスターですね」と断言。赤木も「『ヒルナンデス!』とかのVTR途中に雑談してくれる人いるんですよ。『売れてるなぁ』と思います」と、テレビが「板についてる」人への憧れを口にした。

 王者の追い風を受けて駆け抜けた1年。その風がやんだ先で真価を問われると、2人は誰よりも自覚している。

 ◆たくろう赤木裕(あかぎ・ゆう=1991年10月24日生まれ、大津市出身)、きむらバンド(1990年1月28日生まれ、松山市出身)で2016年3月結成。NSC大阪で1期先輩のきむらが、同期から赤木を紹介されたことがきっかけ。18年、結成2年で「M-1グランプリ」準決勝進出。25年、7年ぶりに準決勝に進出後、優勝。ネタで取り上げた企業名のCMをほぼ制覇し、残すはWHO。コンビ名は互いに好きな、イチロー氏(赤木)と木村拓哉(きむら)から命名。

編集者のオススメ記事

芸能最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス