ちばてつやさんが死去 ボクシング漫画の金字塔「あしたのジョー」で社会現象 生涯現役87歳燃え尽きるまで…漫画人生貫徹

 「あしたのジョー」や「おれは鉄兵」などの大人気作で知られる漫画家・ちばてつや(本名・千葉徹弥=ちば・てつや)さんが、骨髄異形成症候群のため22日に都内の病院で死去していたことが27日、分かった。87歳。葬儀は家族葬で執り行われた。自身の半生を描いたエッセー漫画「ひねもすのたり日記」(小学館)を8月まで連載するなど、生涯現役を貫徹。妻・幸子さんもコメントを発表し「数多くの読者の皆様にご支持頂けましたことは、漫画家として本当に幸せな人生でした」と感謝を示した。

 戦後の日本漫画界を牽引し続けた巨匠が、漫画一筋の生涯に幕を下ろした。

 「ひねもす-」を連載していた小学館の「ビッグコミック」は公式サイトで訃報を発表。幸子さんもコメントで「87年の生涯を現役として、画業70年の長期に渡り、数多くの読者の皆様にご支持頂けましたことは、漫画家として本当に幸せな人生でした」と感謝した。

 ちばさんは1939年1月11日生まれ。東京出身。終戦後、旧満州(中国東北部)から引き揚げ、56年に17歳で漫画家デビューを果たした。67年12月には原画を担当した「あしたのジョー」の連載がスタートした。

 主人公のボクサー・矢吹丈やライバル力石徹が熱狂的な人気を集め、作中で力石が亡くなると70年には都内の講談社で告別式を実施し、多数のファンが参列した。「立て…!立つんだジョー!」「まっ白に…燃え尽きた」などの名ぜりふも大流行し、ボクシング漫画の金字塔を打ち立て、社会現象を巻き起こした。

 その他、代表作に「おれは鉄兵」や「ハリスの旋風」など。学園やスポーツが題材の作品を数多く生み出し、2024年には漫画家として初めて文化勲章を受章するなど、漫画の文化的地位の向上に貢献した。

 12年から18年までは日本漫画家協会理事長、18年から同会長を務めた。大学でも教授や学長を歴任したほか、自身の名を冠した新人漫画家の登竜門「ちばてつや賞」の最終審査を務めるなど、後進の育成、漫画文化の振興にも尽力した。また、引き揚げ経験のある漫画家仲間と体験記「ボクの満州」を出版。昨年12月に死去したタレント・海老名香葉子さんと共著を出版するなど、自身の戦争体験を語り継ぐことで反戦や平和の尊さを訴え続けた。

 長年第一線で活躍した一方、度重なる病にも見舞われた。90年代に心筋梗塞や網膜剝離、脊椎管狭窄、大腸ポリープなどを患った。21年も心臓疾患で入院・手術、24年には左目の白内障手術も受けた。

 それでも創作への情熱は最期まで衰えなかった。15年末から連載した「ひねもす-」は8月まで執筆活動を続けた。8月13日の投稿したブログでは「体調がおかしくて入退院を繰り返していた」時期があったとも説明。9月には体調不良で休載が発表されていたが、復帰に強い意欲を示すなど、最後の最後まで漫画家であり続けた。

 ◆ちばてつや(本名・千葉徹弥)1939年1月11日生まれ、東京都出身。1961年に週刊少年マガジンで「ちかいの魔球」の連載を開始。65年発表の「ハリスの旋風」はテレビアニメ化された。68年には劇画作家である高森朝雄(梶原一騎)氏と組み「あしたのジョー」を発表。一躍社会現象になった。その後は角界を舞台にした「のたり松太郎」やプロゴルフを舞台にした「あした天気になあれ」などスポーツ漫画で次々とヒットを記録。2002年に紫綬褒章を受章。24年には漫画家として初めて文化勲章を受賞した。実弟に漫画家・ちばあきおさん、七三太朗さん。

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