小林信彦さん死去 93歳、多臓器不全 小説「オヨヨ大統領」シリーズ 評論「世界の喜劇人」

小林信彦さんが死去 ※写真はイメージです(roksana/stock.adobe.com)
小林信彦さん
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 小説「オヨヨ大統領」シリーズや評論「世界の喜劇人」などで知られる作家の小林信彦(こばやし・のぶひこ)さんが多臓器不全のため19日午前11時31分に東京都杉並区の病院で死去していたことが23日、新潮社から発表された。93歳。東京都出身。葬儀は近親者のみで執り行われた。喪主は長女・佐々木眞理さん。エンターテインメントへの豊かな知見を持ち、編集者、放送作家、小説家、評論家、コラムニストとして多才に活躍。映画化、ドラマ化作品も多かった。

 新潮社によれば、小林さんは今月に入り体調不良のため入院、加療していた。2017年に発症した脳梗塞から復帰し、20年代に入っても執筆活動は続いたが、今回は復帰がかなわなかった。

 東京市日本橋区(現中央区東日本橋)の和菓子商の長男として生まれた。イラストレーターの小林泰彦氏は実弟。早大卒業後、江戸川乱歩に見いだされてヒッチコック・マガジン編集長に就任。1959~63年まで務めて若者文化をリードする雑誌に育て、自身もマスコミの寵児となった。

 その後はテレビの放送作家として坂本九さんの「九ちゃん!」や植木等さんの「植木等ショー」を手がけ、映画ではクレージーキャッツの「大冒険」(65年)にギャグマンとして参加。「進め!ジャガーズ敵前上陸」(68年)の脚本も手がけた。クレージーキャッツや大滝詠一さん、大島渚監督らと親交があった。

 64年には「虚栄の市」で小説家デビューし、70年開始のユーモア小説「オヨヨ大統領」シリーズが大ヒット。疎開生活を描いた「冬の神話」や編集者時代を描いた「夢の砦」といった自伝的作品、純文学、エンターテインメントと作風は幅広い。「唐獅子株式会社」は横山やすしさん、「紳士同盟」は薬師丸ひろ子、「悲しい色やねん」は仲村トオル主演で映画化され、「極東セレナーデ」は裕木奈江、「おかしな男 渥美清」は柄本佑主演でドラマ化された。

 評論家、コラムニストとしては「世界の喜劇人」、「日本の喜劇人」、「東京のロビンソン・クルーソー」、「われわれはなぜ映画館にいるのか」、「地獄の読書録」などで映画や喜劇、文学への深い知見を基にしたエンターテインメント論を展開。「本音を申せば」シリーズは週刊文春の看板コラムで、自民党政権を度々批判する硬骨漢ぶりも発揮していた。

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