戦後の大女優・岸恵子さん逝く 映画「細雪」で姉妹役共演の吉永小百合ら悲痛「もう一度 お逢いしたかった」
戦後を代表する国際派の映画スターで、エッセイストやジャーナリストとしても多才な活躍を見せた俳優の岸恵子(きし・けいこ)さんが7日、老衰のため横浜市の自宅で死去していたことを19日、所属事務所が発表した。93歳。横浜市出身。葬儀は故人の遺志により近親者で行った。喪主は長女麻衣子(まいこ)さん。お別れの会は予定していない。岸さんの訃報を受けて、吉永小百合(81)らゆかりの俳優や映画監督の山田洋次氏(94)らが、唯一無二の偉大な足跡をしのんだ。
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岸恵子という稀代の映画俳優を、ゆかりのある芸能人が追悼した。
市川崑監督の映画「細雪」(1983年)で妹役を演じた吉永は「大好きな先輩でした。『細雪』でご一緒した時、ラッシュを見て、「あなた、とても良いわよ」と誉めて下さり、嬉しかったこと、忘れられません」と回想。2014年には共著を出版しており「パリのお宅に伺い、『歩いて行く二人』という本を一緒に作ったことも、大切な思い出です。もう一度 お逢いしたかった!」と悲嘆に暮れた。
俳優の石坂浩二(85)は、市川監督の映画「悪魔の手毬唄」(77年)や「女王蜂」(78年)などで共演。「監督の心をよく分かっていました。自身の知性や感性があってこそだった。教わることの多い方でした」と敬意を表し、「美しさと、聡明(そうめい)で凜(りん)としたたたずまいは、今も鮮明に記憶に残っています」と悼んだ。
熊井啓監督の「式部物語」(90年)で共演した俳優の奥田瑛二(76)は「全てを兼ね備えた伝説の大女優であり、俳優として先陣を切ってこられた方」と指摘し、「『式部物語』での共演は喜びにあふれた時間でした。触れ合えた時間は珠玉の宝物」と感謝した。
県立横浜平沼高からの友人である俳優の草笛光子(92)は「校内でのあなたはいつも本を抱えていて、洗練されたその姿は学校中の憧れの的でした」と振り返り、「恋愛感も生活スタイルも私とは正反対だけど、芸能界での唯一のお友達。思い出すのは楽しいことばかり。自分のスタイルを貫いて旅立ったあなたを、女優として、後輩として、友として誇りに思います」とたたえた。
「男はつらいよ 私の寅さん」(73年)や「たそがれ清兵衛」(02年)で起用した山田監督は「華やかなマドンナ陣の一人としてスクリーンを輝かしてくれたことも、今は懐かしい思い出となりました。大スターの死を、深い感慨と悲しみの中に受け止めています」と惜しんだ。
ドラマ「末っ子長男姉三人」(03年)で娘役だった俳優の賀来千香子(64)は「エレガントなオーラを纏っていらして、岸さんがいらっしゃるとその場面がいつも華やかで、娘役を演らせていただける事を光栄に感じていた事が懐かしく想い出されます」としのんだ。
