東野圭吾さん死去 直木賞を受賞のベストセラー作家 68歳、大腸がん 手がけた小説106冊 27作が映画化
直木賞を受賞し、映画化もされた人気作「容疑者Xの献身」や「白夜行」などのミステリー作品を数多く発表したベストセラー作家の東野圭吾(ひがしの・けいご)さんが、23日未明に大腸がんのため死去していたことが27日、分かった。講談社が発表した。68歳。大阪市出身。葬儀は家族葬で行った。人間の境遇や内面を徹底的に掘り下げて表現しながら、エンターテインメント性と両立させる巧みな叙述力で、国民的作家として絶大な人気を博した。
デビューから40年あまりで、手がけた小説が106冊。そのうち27作が映画化(公開前も含む)されたという革命的な人気作家が、人知れぬ闘病の末、この世を去っていた。
東野さんは大阪府立大卒業後、日本電装(現デンソー)に入社し、エンジニアとして勤務しながら小説を執筆。1985年に「放課後」で江戸川乱歩賞を受賞し、翌年に専業作家へと転身。99年に「秘密」で日本推理作家協会賞を受け、ミステリー作家としての地歩を固めた。8月5日には、物理学者の湯川学が活躍する「ガリレオ」シリーズの最新刊「永遠の記憶」が刊行される予定で、国内累計発行部数は1億部を超える。
2006年、「ガリレオ」シリーズの3作目「容疑者Xの献身」で直木賞を受賞。会見では少年時代に本が嫌いだったという意外なエピソードを告白し、「昔の自分のような少年が面白く読める小説を書きたい」と思いを吐露した。
その言葉通り、人間の内面を鋭く描きながらも、エンターテインメント性の強い作品を次々と生み出した。少年少女の過酷な運命を描いた「白夜行」は06年にドラマ化され話題に。「ガリレオ」シリーズは俳優・福山雅治(57)の主演でドラマ・映画化され、累計1千万部を超える大ヒットになった。他にも阿部寛(62)主演の「新参者」など加賀恭一郎シリーズや、木村拓哉(53)主演の「マスカレード」シリーズなど、多くの作品が人気俳優の主演で映像化された。
「ナミヤ雑貨店の奇蹟(きせき)」で中央公論文芸賞、「祈りの幕が下りる時」で吉川英治文学賞など受賞多数。日本推理作家協会の理事長や直木賞の選考委員も歴任した。アジア圏では村上春樹さんらと並び人気に。英語圏でも「容疑者Xの献身」が米エドガー賞の最優秀小説賞にノミネートされ、「新参者」が英ダガー賞翻訳部門の最終候補に選ばれた。
