世界最高齢80歳アクション俳優・倉田保昭のモットーとは 映画「夢物語ー」主演

 世界最高齢のアクション俳優、倉田保昭(80)の傘寿とアクション俳優歴60周年を記念した主演映画「夢物語 The Living Dragon」が17日から順次公開される。香港映画の大スターとなって映画「帰って来たドラゴン」やドラマ「Gメン’75」などの名作に出演し、ジャッキー・チェン、サモ・ハン、ジェット・リー、ドニー・イェン、チョウ・ユンファらとも共演してきた倉田が、新作に込めた思いや、伝説のブルース・リーとの思い出を語った。

 「夢物語」は3編からなるオムニバス映画で、「追躡」は東映の任俠(にんきょう)映画、武田梨奈と戦う「ハート・オブ・ドラゴン-龍的心-」は70年代の香港映画をほうふつさせ、香港ロケの「不思議の国のドラゴン」は倉田の実人生と香港映画史が投影されたようなストーリーだ。

 いずれも倉田が壮絶なアクションを見せ、「不思議の-」では「毎年のように会ったり、日本に来れば一緒に食事したりという間柄で、毎日メールで『おはよう』、『おはよう監督』って何年も続けてます」という盟友サモ・ハンと、映画「七福星」(85年)の名シーンを見事に再現した。

 出演を打診すると「倉田がやる作品だったら俺は出るよ」と快諾したといい、「あのシーンを1時間ちょっとぐらいで撮っちゃうわけですから。呼吸、タイミング、やっぱり合ってますからね」と、互いを知り尽くした仲ならではのアクションを披露している。

 エンドロールには、ブルース・リーとの写真が流れる。「ドラゴンへの道」(72年)のローマロケに旅立つリーを倉田が空港に見送った際に新聞記者が撮影したという。

 出会いはリーが「ドラゴン怒りの鉄拳」(同)の撮影中で、リーの幼なじみの紹介で撮影所を訪れ「武道の話をしたりする間柄になった」と意気投合。武道家同士であることも2人を結びつけた。リーは既に「スーパースターの雰囲気をつくり出していた」という。

 「彼は『俺が持ってる武道を映画で表現して、それで世界制覇するんだ』って盛んに言っていた。まさにそれをそのまんまぶつけて世界制覇しています。作り物じゃないから今でも古くさくない。『ドラゴンへの道』も、本当にできる者(リーとチャック・ノリス)が瞬間瞬間でよけながらやっている」

 リーは世界中のアクション映画や格闘技に多大な影響を残した。倉田は彼との出会いについて「本当に人生にとって大きな衝撃でした。中途半端じゃダメだということを勉強させられます」と打ち明け、「生きていたらもっともっと交流があったな。世界のアクションももっと変わったでしょうし、いくら追いかけても追いつかない逸材」と早世を今も惜しむ。

 自身は80歳になったが「地に着いたアクション」、「自分でやる」のモットー通り、今作でも己の肉体一つでごまかしのないアクションを追求した。「夢を達成するために、準備をしておかないとできない。急にやれと言われても動けないし、難しいけど、仕事が来なくても、明日呼ばれてもOKという準備をしておくことがすごく大事。人生ってそこじゃないかな」という心がけで、日々を送っている。

 ◆倉田保昭(くらた・やすあき)1946年3月20日生まれ、茨城県出身。日大芸術学部卒。71年、「悪客」で香港映画デビュー。代表作に映画「帰って来たドラゴン」(73年)「七福星」(85年)「Mishima」(同)、ドラマ「バーディー大作戦」(74年)「Gメン’75」(75年)など。第37回香港電影金像奨に「戦神 ゴッド・オブ・ウォー」(17年)「空手道」(同)でノミネートされ、前者で香港電影評論学会大奨最優秀男優賞。身長172センチ、体重60キロ。空手七段、柔道三段、合気道二段。

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