【山田美保子のミホコは見ていた!】伊藤蘭と趣里、理想の母娘共演

 5月31日放送のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」で、主演の仲野太賀と父の中野英雄が共演したことが話題になっている。そして30、31日、SGCホール有明(東京)で母娘共演を果たしたのは伊藤蘭と趣里だった。

 2019年のソロデビューから7年を記念してリリースされたアルバム「Bright on」を引っ提げた伊藤の全国ツアー、「DANCE ON! LOVE ON!」(ファイナルは6日、7日の福岡公演)。セットリストにはキャンディーズ時代のヒット曲も散りばめられ、客席を埋め尽くしたのは同グループの親衛隊「全キャン連」から派生した「全ラン連」の面々。昭和の公開音楽番組やコンサートを彷彿とさせる法被姿や鉢巻姿で、お約束の「哀愁のシンフォニー」での紙テープ投げも実施され、大いに盛り上がった。

 私は30日、会場で観る機会に恵まれたのだが、伊藤の変わらぬルックスと若々しい身のこなし、何より現役アイドル時代よりも伸びやかで声量を増した歌声に感服した。若い頃から生バンドで歌い慣れているだけあって、実力派のミュージシャンやコーラス隊と紡ぎ出す世界はキャンディーズ時代のそれらを一段と進化させるものとなっていた。

 趣里の登場はアンコール後のこと。2023年度後期の連続テレビ小説「ブギウギ」(NHK)でヒロインを務めたときから、その抜群の歌唱力と華もパンチもあるパフォーマンスは知ってはいたが、生歌唱の迫力は凄まじく、ミニドレス姿でリズムを刻むさまは「スズ子」そのもので鳥肌がたった。

 もちろん伊藤とのデュエットも披露されたし、曰く「色々あった」趣里がSNS上で母のファンから励まされたり、力をもらったりしたと感謝を伝えたのも印象的だった。

 この四半世紀ほど続く二世ブームでは、子供は「七光り」と言われることを嫌い、親は手を差し伸べるか否かを悩み過ぎるあまりに互いの仕事が円滑に進まなくなることも多々あった気がする。

 だが、冒頭の中野、仲野を始め、そうした外野の声が聞かれなくなって初めて理想的な親子共演が実現するように思う。

 趣里は父・水谷豊が企画・監督・脚本・プロデュース・主演を務めた映画「Piccola felicita~小さな幸せ~」でも初共演。7月期には「相棒」シリーズでおなじみのテレビ朝日系ドラマ枠で「大空港~GATE24~」(木曜21時)の主演が待っている。三者三様の大活躍と理想的かつ破壊力抜群の親子共演。誰にでも真似できることではあるまい。

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