高島礼子 101歳公演も狙ってます 5・9開幕・石井ふく子氏生誕百年記念公演で新派の喜劇に出演 「人の裏側のぞき込むような視点が魅力的」
俳優の高島礼子(61)が「新派・松竹新喜劇 合同喜劇公演」(5月9~19日、東京・新橋演舞場)で、「石井ふく子生誕百年記念」と銘打たれて上演される新派の喜劇「明日の幸福」に出演する。「ありがとう」や「渡る世間は鬼ばかり」などテレビ、舞台で数多くのヒット作を世に送り出してきたプロデューサー、演出家の石井ふく子氏(99)の作品に欠かせない存在となった高島が、石井作品の魅力や石井氏との交流、生誕百年記念作品への意気込みを明かした。
高島が石井作品に初出演したのは2012年の舞台「女たちの忠臣蔵」で、主人公のりく役を演じた。起用理由を聞いた高島に、石井氏は「ずっと気になってたのよ。それで声かけたの」と答えたという。その後も主演の「春日局」(15年)、「おんなの家」(17年)と石井氏の舞台が続き、昨年は白寿記念公演「かたき同志」にも出演しているから、高島はお眼鏡にかなったことになる。
石井氏の名作ドラマ「ありがとう」(1970~75年)を見て育った高島だけに、オファーは「断る理由なし」だった。石井ファミリーの先輩たちからは「昔は怖かったのよ!」と聞かされたが、「出会った時には福々しく“福子先生”でした」という。石井氏の演出は「優しい中にも厳しさがある。先生の言うことを聞いていればいいんだな、懐に入ってやれることをやればいいんだなという気持ちにさせていただける」という。
長い年月、多くの視聴者や観客をとりこにしてきた石井作品の魅力を、高島はこう指摘する。
「最近なかなかないようなホームドラマ、人と人とのつながりを大事にするのか裏切るのかという縁の話が魅力かなと思って。『女たちの忠臣蔵』だって、忠臣蔵を達成できるために女たちが裏でどれだけ頑張ってきたのかに視点を置いたところが魅力的ですよね。『おんなの家』も、その人が一番苦しい、一番悲しい、一番辛いところをえぐり出せるようなことを言える。先生はよく人を見られるんだなあって。人の裏側をのぞき込むような視点がすごく魅力的なんじゃないかな」
怖いほどの洞察力を持つ石井氏だが、素顔は「めっちゃ優しい」という。「最初からいつもおにぎり作ってくださったりとか、ご飯もたくさん誘っていただくし、石井先生と仲がいい人とつなげてくださったり」という面倒見の良さがある。
また、「『私はこんな感じでね、こうやって生きて来たの。こういう考え方で、こういうご縁があって、今の私がいて、返しきれないほどの恩を受けた』みたいな、人に対する感謝を切々と教えてくださいます」という人生の教師でもある。
「明日の幸福」は1954年から上演されてきた新派の人気作品で、高島の恵子役は初代水谷八重子さん、二代目八重子、波乃久里子ら大女優が演じてきた。初演から70年までは石井氏の父・伊志井寛さんも恵子の夫役で出演している。重圧もかかるが「できるだけのことを精いっぱい、気合と努力と笑顔でやるだけ」と気概を見せる。
初参加の新派には「怖いよりも、こんなチャンスは二度とないっていう方が先だった。ワクワクの方が強いかな」といい、「私を外部から入れてくれたということは、その期待に応えなければいけない。ちゃんと溶け込んで、でも表から来た新しい風もちゃんと表現できるように」と、自らの役割をとらえている。
昨年の石井氏の白寿記念公演に続き、生誕百年記念にも連投となる高島は「101歳記念公演も狙ってます。ありますよ!」と予告。「やりがいもありますし、毎度毎度勉強にもなりますし、これからも絶対にずっと出たい」と願っている。
◆高島礼子(たかしま・れいこ)1964年7月25日生まれ、神奈川県出身。88年、テレビ時代劇「暴れん坊将軍3」で俳優デビュー。93年、「さまよえる脳髄」で映画初主演。99年から映画「極道の妻たち」シリーズに出演。2001年、映画「長崎ぶらぶら節」で日本アカデミー賞優秀助演賞。主な出演作に映画「陽炎」シリーズ、NHK大河ドラマ「天地人」、ドラマ「精霊の守り人」など。特技はモータースポーツ。趣味はテニス、ゴルフ。身長168センチ。血液型B。
