白石まるみ アイドル女優が明かすスーパースターの素顔 オーラが見えた郷ひろみ すごくステキでキレイなユーミン 82年組との世代間ギャップ
月イチ連載企画の「今も輝いて アイドル伝説」。今回は白石まるみ(63)が登場です。伝説のドラマ「ムー一族」でデビューすると、「スチュワーデス物語」や「家政婦は見た!」シリーズといった大ヒットドラマのレギュラーとして愛くるしい魅力を振りまきました。現在も俳優として活躍する一方で、取得した各種の資格を生かす、多くの意外な顔も持っています。
白石がデビューするきっかけは1977年、中3の時に応募した郷ひろみの恋人役オーディションだった。郷の大ファンだった親友と一緒に応募したもので、実は「ひろみさんのファンではなかった。西城秀樹さんです」と笑って打ち明ける。
翌78年4月9日、高校の入学式前日にTBSから、4万人から選ばれた30人に入ったと連絡があった。最終的に1位は桂木文だったが白石も合格し、ドラマ「ムー一族」で割烹の女将の妹・まるみ役に抜てきされた。丸顔が理由で、役名がそのまま芸名になった。
「ひろみさんに妹のようにかわいがっていただいて、おうちに連れて行ってもらったり、レコーディングに連れて行ってもらったり、ご飯を食べに行ったりさせていただいたので、一気にひろみさんのファンになって」
スーパースター、郷を感じる体験もあった。
「ひろみさんが出番じゃない時に話しかけてくれたりする、その時に見たら周りに金粉みたいなのがキラキラキラキラしてるんですよ。輝いていて、あまりにきれいで、なんだろう?って思ってたけど、オーラなんじゃないかと思って」
歌手デビューは遅く、19歳だった。16歳で話はあったが保留すると立ち消えになり、「デビューする時には時代が低年齢化して、乗り遅れちゃった感じなんです」。
同期は中森明菜、小泉今日子、松本伊代ら後に82年組と称される逸材ぞろい。「みんな14~16歳ぐらいで学校も堀越だったりするんですごく仲がいい。(自分の)19歳って大人じゃないですか。疎外感がすごくて、キャピキャピな感じにもなれなかったし、共通点もないし、話もしない。すごいさみしかったし、つまらなかった」と世代間ギャップに悩んだ。
所属事務所が俳優系で、音楽系ではないことも災いして「歌の仕事が全然来なくて。1年でやめちゃった」。令和の今になって、唯一のアルバムで松任谷正隆がプロデュースし、松任谷由実が曲提供した「風のスクリーン」がアイドルポップ、シティポップの名盤として再評価されている。
「すごくうれしい。いまだに微量ですけど売れてて、いい作品に出合って本当に良かった」
1回もやったことがなかったコンサートも2022年に初めて実現。「風のスクリーン」を全曲歌い、「ああこんなことがあるんだなあと思ってうれしかった」。
レコーディングではユーミン自ら差し入れに来てくれたことが「忘れられない」という。
「すごくステキでした。爪がすごく長くて真っ赤なマニキュア塗って、派手なかっこうしてエレベーターに乗ってきたんです。一緒の空間にいて、ああきれいな方だなと思って。『私が握ったの』って言って、小さいかわいいおにぎりをたくさん握ってきてくれて。こういうステキな人は家事もちゃんとやるんだ、旦那さんとか私たちのためにおにぎりとかも握ってきてくれるんだってすごく印象に残っています」
アイドルといえばアイドル歌手だった時代、白石にアイドルとしての自覚はあったのだろうか。
「アイドル女優のくくりだったんで普通よりアイドル寄りなんですけど、アイドル歌手と言うと、どうなんでしょう?」
白石の軸足はずっと演技で、自ら代表作だと認めるのは「スチュワーデス物語」だという。
「43年間ずーっと日本のどこかで再放送されてるってすごいなって。飛行機に乗る度にスチュワーデスさんが『私478期なんです』、『白石さん見て憧れてスチュワーデスになりました』と言ってきてくれるのがすごく面白くて」
主演の堀ちえみや当時アイドル漫才師として人気だった春やすこら共演者との仲も「恋バナしたり編み物したり、女子校にいるみたいな感じ。すごく楽しかった」と深まり、後にはママ友としても絆が強まった。
現在の白石は松平健主演の舞台「暴れん坊将軍」に昨年から連続出演するなど俳優として活躍する一方、2月にシナプス療法基礎試験に合格したことを報告するなど各種の資格を取得。個性心理学の講師でもある。
資格を取る理由は「人の心と体の痛みを取ってあげたい」から。「2歳ぐらいの時に母が家出して、親戚中たらい回しにされたり、幼稚園に行けなくて、小学校は行ったけど友だちのつくり方が分からなかったり、不登校、いじめられっ子だった」という子供時代を過ごしただけに「そういうのを救ってあげたい。気持ちの分からない人って救えないじゃないですか。そういうのをお手伝いできたら」と願う。
3級審判員の資格を持つバドミントンは指導員歴20年超で、取材後も指導員の仕事に向かったほど。親しい新沼謙治の妻が世界最高峰の全英オープンを4度制した湯木博恵さんで、湯木さんの先輩がやっているバドミントン教室を「もう年だから代わって」と頼まれて引き継いだ。今は基礎コースを教えている。
09年には娘の守永真彩(34)がデビュー。最初は歌手志望の娘を「誰でもなれる世界じゃないからやめて。今は歌がうまくても顔がかわいくても踊りが上手でもなかなか難しい世界だから」と止めたが、一緒に入浴した際に母が翻意した。
「あんまりスタイルがいいから『グラビアアイドルならいけるんじゃない?』って言ったら『じゃあそうする』って」。守永は現在、グリーンチャンネル「日曜レース展望KEIBAコンシェルジュ」のレギュラーや歌手として活動し、母娘共演も多い。
白石は63歳になったが、つぶらな瞳と朗らかなキャラクターは健在だ。最後に、これからの夢を「セリフが覚えられる限り、舞台とかお芝居とかテレビの仕事があればやっていきつつ、せっかく芸能界にいたので、知ってる方、けっこう心を開いて話してくれる方が多いので、セラピストとしても今後できたらいいな」と明かしてくれた。
◇白石まるみ(しらいし・まるみ)1962年11月27日生まれ、東京都出身。78年、ドラマ「ムー一族」でデビュー。82年、松任谷正隆プロデュースのシングル「オリオン座のむこう」で歌手デビュー。88年、初写真集「麻琉美」発売。主な出演作にドラマ「意地悪ばあさん」(81年)、「スチュワーデス物語」(83年)、「家政婦は見た!」シリーズ(90~2008年)など。英LCICI認定チャンピサージセラピスト、個性心理学講師など資格多数。09年、娘の守永真彩がグラドルでデビュー。
