はなわ芸歴30年を振り返る 借金抱える厳しい時期も「佐賀県」大ヒットで人生激変 弟のナイツ・塙宣之には「本当に尊敬」
芸人、ミュージシャンなど数々の肩書を持つはなわ(49)が、芸歴30年の歩みを振り返った。11月22日に子育て本「柔道3兄弟と天然ママと僕~はなわの楽しい子育て~」(徳間書店)を出版し、来年1月12日には横浜で「はなわ芸歴30周年LIVE~HANAWA ROCKの軌跡~」も開催する。ブレークの陰に苦悩もあった半生を語った。
芸歴30周年を迎えたはなわが、これまでの歩みを「短いと思ったけど、思った以上に長い道のりでしたね。書籍を作る過程で昔を思い出して、改めていろんなことがあったと気づいた」と、しみじみ語った。
芸人、ミュージシャン、ものまね、YouTuber、プロデューサーなど多方面で活躍してきたが、根底には常に音楽があった。「芸人をやっていても、片足はずっと音楽に残していた」と胸の内を明かす。
ブレーク前に結婚、第1子も誕生したが、仕事が少なく借金を抱える厳しい時期が続いた。そんな崖っぷちで生まれたのが2003年の大ヒット曲「佐賀県」だ。NHK紅白歌合戦出場など、この1曲が人生を激変させ、1日8~10本の仕事を抱える売れっ子に駆け上がった。
「ありがたいけど、忙しすぎて自分を見失った時期もあった」と振り返り、円形脱毛症を患うほどの多忙ぶりだったことも明かす。現在は「無理をせず楽しむ」という原点に立ち返り、自分のペースで仕事と向き合い続けている。
家族の存在も大きな支えだ。11月22日には子育て本「柔道3兄弟と天然ママと僕」を出版。「うちみたいな家族でもなんとかなる。肩の力を抜いてほしい」という思いが込められている一冊だ。
弟であるナイツの塙宣之についても「本当に尊敬している。弟が頑張る姿を見ると、自分も負けられない」と、兄としての思いを口にする。活動ジャンルは違っても、お互いを刺激する関係性は揺らぐことはない。
1月12日には横浜で芸歴30周年ライブを開催する。「お笑いもやって、音楽もやってという感じ。自分でもワクワクしている」と語る特別なステージには、大物ゲストの出演も予定されているという。売れない時代からずっと大切にしてきた音楽で30年を刻むことに、並々ならぬ思いを抱いている。
「30年やってこられたのは周りのおかげ」と感謝を口にし、「コロナの時も震災の時もそうでしたけど、それによっていろいろ転機があった。今後も何が起きるか分からないと考えると、今ある仕事を一生懸命やるだけ。人を元気にする活動を続けたい」と今後の抱負も語った。
本を出版し「作家も加わった」と笑う。多岐にわたる活動もどんなことにも「全力投球」するはなわ。節目を迎えてもその歩みを止める気配はない。
◇はなわ(本名・塙尚輝=はなわ・なおき)1976年7月20日、埼玉県生まれ。佐賀県で育つ。95年に上京し、お笑い芸人として活動開始。ギターの弾き語りのスタイルを確立し、2003年に発表した「佐賀県」が大ヒット。家族ネタのYouTubeや音楽活動でも人気を集める。弟は漫才コンビ・ナイツの塙宣之。
