映画「国宝」が米アカデミー賞ノミネート作品候補 国際長編映画賞とメーキャップ&ヘアスタイリング賞の2部門で選出
第98回米アカデミー賞のノミネート作品の候補「ショートリスト」が16日(日本時間17日)、12部門で発表され、映画「国宝」が国際長編映画賞とメーキャップ&ヘアスタイリング賞の2部門で選出された。ノミネート作品は2026年1月22日に発表される。
国際長編映画賞は86作品が審査対象となり、15作品が選ばれた。メーキャップ賞は10作品が候補入り。いずれも5作品がノミネートされる。
国際長編映画賞を受賞すれば、2022年の「ドライブ・マイ・カー」以来、4年ぶり。カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞した「It Was Just an Accident」などが候補入りし、激戦となっている。メーキャップ賞を受賞すれば日本作品初。日本人では辻一弘(カズ・ヒロ)氏が2度受賞している。
「国宝」は歌舞伎界の人間模様や愛憎劇を描き、興行収入で邦画実写作の歴代1位記録を更新。3時間にわたる長大な物語の中で、主演の吉沢亮や共演の横浜流星らが吹き替えなしの歌舞伎シーンを熱演し、社会現象となった。
11月には米ロサンゼルスとニューヨークで上映キャンペーンを実施。今月には李相日監督らの働きかけで、トム・クルーズ主催の投票権を持つ関係者向け鑑賞会が開かれるなど、ハリウッドでPRを続けている。
李監督、原作の吉田修一氏は野間出版文化賞を受賞し、この日、都内で行われた授賞式に出席。李監督は受賞スピーチで「日本を超えて世界の方々に伝わる作品。人間が、ある衝動に向かって魂を燃やしていく生き方の美しさに渇望を抱いていたんだなと改めて今回の広がりで痛感しております」と実感を込めた。
