歌舞伎の中村鶴松が初代中村舞鶴を襲名「私には身に余る、素敵なお名前」 来年2月に歌舞伎座で
歌舞伎俳優の中村鶴松(30)が来年2月の東京・歌舞伎座「猿若祭二月大歌舞伎」(2月1~26日)で初代中村舞鶴(まいづる)を襲名し、幹部昇進することが1日、分かった。
鶴松は3歳で児童劇団に入り、2000年5月の歌舞伎座「源氏物語」で、清水大希の名で初舞台を踏んだ。03年の歌舞伎座「野田版 鼠小僧」で注目され、05年5月の歌舞伎座で十八世中村勘三郎の部屋子となり、「菅原伝授手習鑑」車引の杉王丸で二代目中村鶴松を名乗った。
立役、女形いずれにおいても存在感を示し、最近では11月に歌舞伎座「歌舞伎絶対続魂(ショウ・マスト・ゴー・オン) 幕を閉めるな」で三谷幸喜氏が作・演出の「三谷かぶき」に出演した。13年に早稲田大学文学部文学科演劇映像コースに進学し、17年に卒業。22年からは自主公演「鶴明(かくめい)会」を開催している。
この度、十七世中村勘三郎さんを中心に始まった「猿若祭」という中村屋が大切にしている公演で初代中村舞鶴を襲名し、幹部昇進します。舞鶴の名は十七世勘三郎さんの俳名「舞鶴(ぶかく)」に因むもの。
鶴松は「鶴松という名は、師匠である勘三郎の父に名付けて頂き、皆様にも『鶴松』『つる』『鶴ちゃん』と温かくお呼びいただき、有難くも長年可愛がっていただきました私にとりまして大変愛着のある大切な名前でございます。その名を改めますことは、自分の中では誠に大きな変化であると感じております」と「鶴松」の名への思いを述べた。
その上で「舞鶴」の名について「勘九郎、七之助の兄たちが心を込めて考えてくださいました、私には身に余る、素敵なお名前でございます。一人でも多くのお客様に新しい名前を覚えていただき、これまでと変わらぬご声援を賜れましたら、この上ない喜びに存じます。この名を新たな一歩と致しまして、これからも一層藝道精進して参る所存で御座います」と決意表明している。
