11・28は「いい唾液の日」 風邪やインフルエンザ「唾液の力」で感染予防 神奈川歯科大学教授が解説
風邪やインフルエンザなどの感染に気をつけたい季節となった。これらウイルスや病原菌の感染対策に、唾液が深く関わっていることをご存じだろうか。そのメカニズムなどを、唾液・唾液腺研究の第一人者である神奈川歯科大学大学院環境病理学講座の槻木恵一教授が解説した。
槻木教授は、まず「唾液には、酵素やたんぱく質をはじめ100種類以上の物質が含まれています。その中に感染に対する抗菌物質もたくさん入っており、風邪やインフルエンザなど、さまざまな感染症予防に役立っていることが分かっています」と説いた。
中でも、重要なのがIgA(免疫グロブリンA)と呼ばれる免疫の抗体と言う。
「感染症の9割は粘膜から起こると言われています。粘膜は、免疫によって病原体の侵入から守られているのですが、その中心的役割を果たしているのが、唾液に最も多く含まれているIgA抗体なのです」。
では、IgAはどうやって感染を防ぐのだろうか。
「ウイルスや細菌が粘膜に侵入してくると、IgAがその病原体を取り囲むように集まり、張り付いて、粘膜に定着できなくしてしまうのです」。
粘膜に定着できなかった病原体は無効化し、唾液によって排出されてしまう。だが、唾液の分泌が少ない状態では、IgAの防衛力も弱まってしまうという。
「唾液の量が少なければ、唾液に含まれるIgAが口の中や咽頭に行き渡りにくくなります。唾液の分泌を促すには、唾液腺と呼ばれる唾液の出やすいポイントを指で軽く圧迫するマッサージが効果的ですが、誰でも簡単にできる方法は、よく噛(か)むことです。私たちの体は、噛むと反射反応で唾液がたくさん分泌されるようになっているのです。ガムなどを使って噛むトレーニングを毎日続けるようにすれば、口の周囲の筋肉が整えられて唾液腺の働きも良くなりなります」。
折しも、11月28日は「いい唾液の日」。健康に重要な役割を担っている唾液の力を、感染症対策を兼ねてあらためて考えてみては。
なお「第4回日本唾液ケア科学会学術集会」が11月23日、横浜シンポジアで開催される。主催は、槻木教授が理事長を務めるNPO法人「日本唾液ケア科学会」。
詳しくはhttps://iidaeki.org/taikai
