市川中車 5月閉館の大阪松竹座「最後の出演」へ 「金龍ラーメンのにおいをしっかり嗅ぎたい」

 会見に臨んだ(前列左から)市川中車、片岡孝太郎、横山英幸大阪市長、吉村洋文大阪府知事、中村鴈治郎、片岡愛之助、(後列左から)中村歌之助、中村壱太郎、中村種之助
 会見で思いを語る市川中車(中央)
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 歌舞伎役者の市川中車が10日、大阪市内で出演する「壽 初春歌舞伎特別公演」(来年1月7日初日・大阪松竹座)の概要発表会見に出席した。

 会見の中で、今作の舞台となる大阪松竹座が来年5月で閉館することに触れた中車。「私、1月がたぶん最後の出演になると思います。その意味でも一生懸命頑張りたい」と、心を奮い立たせた。歴史ある舞台との別れに「楽屋に入る時に必ず御堂筋の『金龍』の前を通るのですが、この濃厚なにおいを嗅げなくなると思うと、本当にさみしい思いがいたします。1月は『金龍』のにおいをしっかりとかいで、思い出を残したい」と、大阪松竹座の裏手にあるとんこつラーメンの有名店を引き合いに、感慨にふけった。

 同席した片岡愛之助も「(かつては)道頓堀には五つ小屋があって、それがゼロになるやいなやという」と、危機感を募らせる。また「個人的な思い」として、「やはり道頓堀には芝居小屋、歌舞伎ができる小屋があってほしい。食い道楽、芝居道楽の場所であってほしい」と率直な思いを吐露。「上方から歌舞伎がなくなるということはない。いい形を模索しながら続けられると信じております」と、まっすぐな願いを口にした。

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