生駒里奈&若月佑美 朗読劇で乃木坂46卒業以来8年ぶりの共演 生駒のいじめ実体験が原作 若月「悪を消すきっかけに」
元乃木坂46で俳優の生駒里奈(29)と若月佑美(31)が「ハイセンスA3-D 朗読演劇 図書委員界」(10月10~13日、CBGKシブゲキ!!)に出演する。生駒の原作で自身が学生時代に「いじめられた過去」を実際に反映させた物語。グループ時代から気心を知れ、卒業以来の舞台共演で俳優として活動する共通点のある2人が人間関係で苦しむ人に向け、前向きに切り替える「きっかけ」を伝える思いを明かした。
役衣装もぴったり似合う2人が、息の合った舞台を作り上げる。芝居の仕事ではグループ在籍時以来、約8年ぶりの共演。生駒は「本番が始まった方が特別感は湧いてくるのかな。(乃木坂46を卒業してからは)一緒にお芝居するのは初めてなので、家族の前でお芝居するような恥ずかしい気持ちに近い」と照れ、若月は「生駒が原作というところも胸が熱くなりました」と期待した。
物語は少女のもとに届く「どんな悩みでも解決します」という招待状から図書室で悩みを解決してくれる「図書委員界」の面々に出会うというもの。図書委員界の創設者で生駒演じる冷静沈着な男子の委員長が主人公で、いじめ被害者である中三女子を救っていく。悩みを抱える一人で今村海役を若月が演じ、いじめに立ち向かう。
生駒が原作として描き、自身の学生時代のいじめられた経験が反映された。「小中高のいじめられていた思い出をちょっと凝縮させていただいた」と明かす。
「自分の過去を発信することは勇気がいることではなかった。むしろ10代の頃はいじめられたことが記憶にまだ新しいので『こっちは一生覚えているからな』と言いたかった。そして今、30歳になるけど忘れていない。気持ちとしてはいじめられた側を代表して、全国のいじめっ子の皆さまに立ち向かいたい」
乃木坂46時代から約15年の仲だからこそ、若月も伝えたいことに同調する。「この物語を通して、自分の中に例えば悪がある人がいたら、その悪を消すきっかけになってほしい。逆に救われたいと思って見に来た人がいたとしたら、その救われ方を知ってもらうきっかけになればいい」と語った。その上で「自分が行動して一歩を踏み出していかなければいけない。そうしたらいい未来があるからということも伝えられたら」と語る。
生駒は「自分のこの境遇を変えていく勇気を持たないと人は変われない。他人が変わってくれることってまずない」と経験を踏まえ言い切り、「私は乃木坂46に入ったことも変わるきっかけだった。乃木坂46は本当にいじめがなかったし、むしろ頑張ったねと言ってくれて理解してくれた同期もいた。変わることができる機会はみんなに絶対にあるから、勇気だけ持ってほしいと伝えたい」と自らの熱い思いを朗読演劇として表現する。
2人の芝居の共演は乃木坂46在籍時以来。それでも、若月は「元々グループが一緒で時間がたっての再共演というところが一番前に出過ぎるのは今回は違うと思っている。やっぱり生駒の作品が届くことを一番大事にしたい」ときっぱり。生駒も若月に対して直接オファーしたものの、「再共演することの意味は深く捉えていない。若(若月)が一俳優としてすごく魅力的で原作者として起用したいと思った。それはステージで証明したい」と意気込んだ。
将来に向けての展望はお互い正反対。だからこそ補い合うことができる。生駒は「30歳を過ぎてからが自分の人生。これからブチ上げる」と力を込める。一方「誰かを支えることで、その人が成功したことの方がうれしくなる自分がいる。人の幸せが自分の幸せだと今は思える」と若月。異なるタイプながら気が合う2人だからこそ生まれる世界観で魅了する。
◆生駒里奈(いこま・りな)1995年12月29日生まれ。秋田県出身。11年8月に乃木坂46の1期生オーディションに合格。1stシングル「ぐるぐるカーテン」などでセンターを務めた。18年にグループを卒業。24年に関西テレビのドラマ「社内処刑人~彼女は敵を消していく~」に主演。同年に映画「室井慎次 敗れざる者」などに出演。
◆若月佑美(わかつき・ゆみ)1994年6月27日生まれ。静岡県出身。11年8月に乃木坂46の1期生オーディションに合格。18年にグループを卒業。24年にABCテレビのドラマ「セレブ男子は手に負えません」主演。同年にNHK連続テレビ小説「おむすび」出演。二科展デザイン部門通算9回入選、特選入賞。
