織田裕二 陸上ラブストーリー提案「選手の背景」知ればより深く味わえる 世界陸上スペシャルアンバサダー
俳優の織田裕二(57)がこのほど、スペシャルアンバサダーを務める陸上の世界選手権(9月13日~21日、東京・国立競技場)の開幕を前に、デイリースポーツの単独取材に応じた。これまでTBS系「世界陸上」のメインキャスターを25年務めており、22年オレゴン大会で卒業。今大会は東京開催とあって、スペシャルアンバサダーとして“復帰”している。開幕に向け、競技の楽しみ方や選手への思い、これまで大会を盛り上げてきた自身の名言に至るまで、熱く語り尽くした。
世界陸上の開幕が近づき、織田のボルテージも日に日に上がっている。四半世紀以上陸上に携わってきたスペシャルアンバサダーは、「選手の背景のちょっとした情報とかを知ってみると、『ただすごい選手』だけじゃなくて、面白くなると思う」と、より深く競技を味わえる“陸上ラブストーリー”を提案した。
例えば、やり投げ女子でパリ五輪金メダリストの北口榛花(JAL)は水泳やバドミントンの経験者。織田は「実はいろんな代表になれたと思う」とその無限の可能性に思いをはせる。
「変な話、『大谷(翔平)が(ゴルフの)ドライバーを打ったら、どんくらい飛ぶんだろう』とか思ってしまうような。『北口が(バレーボールの)スパイクを打ったらどんなスパイクを打つのかな』とか。『でもジャンプできるのか?』『ああ、結構できそうだぞ』とか、分かんないけどね」。想像を膨らませるのもまた一興なのだと、楽しげに笑ってみせた。
その北口はこれまで最終投でのドラマチックな逆転劇や、パリ五輪での鮮やかな“一撃”金メダルで話題になった。織田は「どんな奇跡を起こすか、スポーツは本当に分かんない。『ドラマで書いちゃったらできすぎでしょ?』っていうことや『うそ~!』っていうことも起きる」と熱弁。「それも含めて楽しみですよね」と目を輝かせる。
海外選手にも注目している。今大会女子400メートル代表のシドニー・マクラフリンレブロニ(米国)は400メートル障害の世界記録保持者で五輪2連覇中の女王。以前から「何かを感じさせる人」だっただけに、本職ではない種目の挑戦も「やっぱりか」と納得感があるという。「序章という感じ。これがうまくいけば、僕は最終的に100メートルと400メートルのチャンピオンを見たいっていう、めちゃくちゃなことを(思う)」と、壮大な“野望”を描いてしまうほど、夢を与えてくれる存在だ。
さらに、男子100メートルも熱い。日本勢の代表3枠を巡る争いは好記録が連発して大混戦。8月に自身2度目の9秒台となる9秒99を出した桐生祥秀(日本生命)、世界選手権の決勝進出経験を持つサニブラウン・ハキーム(東レ)らが内定した。織田は「もうし烈っていうか、もう…なんだろうって」ともどかしかったという。桐生らの好記録を「うれしいですよね」と喜びつつ、「やっぱり見たいですからね、僕はサニを」と長年成長を見守ってきたサニブラウンへの思いも強い。
以前にデイリースポーツの取材には「(名言は)ちょっとつなげとかムチャぶりの時に出るもの。だから、名言は生まれません!」とまさかの“名言封鎖宣言”をしていたが、織田の熱い言葉を誰もが期待している。「(以前報道陣に話した)『名言は狙っちゃいけない』も名言では」と再び水を向けられると、「分かんない」と白い歯を見せて笑った。
「俺は『キターーー!』って言ったのも全く記憶になかったからね。たまたま言ったのを、聞いた人が面白がって大きくしちゃったんで」とかつて大流行した名言の裏側を明かしつつ、「変なこと言わないように、“迷う言葉”じゃないように気をつけます」と改めて宣言。ただ、最後には「ちっちゃくなるなよ」とニヤリとして気合を入れた。大会はもちろん、織田の魂のこもった言葉にも国民の心が“踊る”9日間になりそうだ。
◇織田裕二(おだ・ゆうじ)1967年12月13日生まれ。神奈川県出身。1987年、映画「湘南爆走族」でデビュー。91年、テレビドラマ「東京ラブストーリー」のカンチ役で人気を得る。97年、テレビドラマ「踊る大捜査線」では青島刑事役を務め、シリーズ化、映画化もされ大ヒットに。01年、映画「ホワイトアウト」でブルーリボン賞主演男優賞。「世界陸上」のメインキャスターは22年オレゴン大会まで25年務めた。2007年にシングル曲「All my treasures」をリリースし、世界陸上のメインテーマにもなった。
