フジテレビは２８日、港浩一元代表取締役社長と、大多亮元専務取締役に対し、東京地裁に損害賠償請求を提起したと発表した。請求金額は５０億円。

　同社ＨＰにアップされた文書によると、２３年６月にタレントと元従業員との間で生じた事案に関する元取締役の対応などに関して、利害関係のない法律事務所に法的責任の有無について分析を委任。それをもとに港元社長、大多元専務に対し「善管注意義務を負っていたにも係わらず、これを怠った」として損害賠償請求を提起したという。

　請求金額は５０億円とし、２５年６月３０日までにフジテレビが被った損害額４５３億３５０３万６７０７円の一部として、被告らに連帯して支払いを求めるものとし、「会社法４２３条１項に基づき、被告らの任務懈怠（かいたい）によりフジテレビが被った損害の一部について、損害賠償を請求するものです」としている。

　また、今回の提起については「当社がコンプライアンス強化に真摯に取り組む姿勢を明確に示すとともに、人権とコンプライアンスを最重要とする企業風土を確かなものにしていくためには、今回の事案に係わるフジテレビ元取締役の責任を追及することが不可欠であると判断しております」とも記されている。