映画「国宝」を称賛 父が人間国宝の扇雀 吉沢亮&横浜流星は「とても空気感が出ていて」「3カ所泣きました」人間国宝・梅玉は重責を強調

 歌舞伎俳優の中村梅玉(79)、中村鴈治郎(66)、中村扇雀(64)が6日、都内で開かれた国立劇場の9月歌舞伎公演「《歌舞伎名作入門》仮名手本忠臣蔵」(9月5~27日、東京・新国立劇場 中劇場)の取材会に出席した。

 映画「国宝」の大ヒットで歌舞伎に注目が集まる中での上演。映画に出演して歌舞伎指導も務めた鴈治郎が「あくまで今回は仮名手本忠臣蔵なので、皆さんに見ていただきたいことだけです」などと言葉少なだったのに対し、弟の扇雀は「私は3カ所泣きました。作品としては優れていると思います。2人(吉沢亮、横浜流星)はとても空気感が出ていて、僕はとても肯定派です」と映画を称賛した。

 扇雀は「業界には否定派もいますけど、肯定派も多い」と歌舞伎界の反応を明かし、「歌舞伎に関心が増えたことは間違いないと思う。歌舞伎って敷居が高いとしか皆さんおっしゃらないけど、その敷居をあの映画は下げてくれた可能性はあると思う。チャンスだと思う」と前向き。

 今回共演する梅玉は2022年に人間国宝になっており、扇雀は「梅玉のお兄さんとか、本物の(人間)国宝の方の本当の芸を見たいという人は必ず増えていると思う。映画の歌舞伎が偽物というわけではなく、本物の歌舞伎ってこんなにステキなんだよと感じていただける歌舞伎にしたい」と、国宝の大ヒットでめぐってきたチャンスを生かすべく意気込んだ。ちなみに鴈治郎・扇雀兄弟の父・坂田藤十郎さんも人間国宝だ。

 梅玉は「人間国宝にならせていただいたということは、素晴らしい伝統文化である歌舞伎を後世にも伝えていかなければ、その担い手としての責任を感じるというのが一番の実感です」と、人間国宝の重責を語った。

 今回は上演機会の少ない二段目「桃井館力弥使者の場」「桃井館松切りの場」と九段目「山科閑居の場」を上演。梅玉の加古川本蔵、鴈治郎の桃井若狭之助と大星由良之助、扇雀の本蔵妻戸無瀬など、主な出演者が全て初役で挑むのが大きな見どころとなっている。

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