宝塚の元トップスターと元トップ娘役がWキャストで「マタ・ハリ」 柚希礼音と愛希れいか「人生の全てを懸ける」
元宝塚歌劇団星組トップスターで俳優の柚希礼音と、同月組トップ娘役で俳優の愛希れいかがWキャストで主演するミュージカル「マタ・ハリ」(10月1~14日、東京建物ブリリアホール。同20~26日、梅田芸術劇場メインホール。11月1~3日、博多座)の制作発表会見が23日、都内で行われ、主演の2人と共演の加藤和樹、廣瀬友祐、甲斐翔真、神尾佑、春風ひとみ、訳詞・翻訳・演出の石丸さち子氏が出席した。
2016年に「マタ・ハリ」は韓国で誕生したミュージカルで、最初に甲斐が「普通の人生」、愛希が「一生の時間」、加藤が「戦いが終わっても」、柚希が「この命の最期に」の歌唱パフォーマンスを披露した。
2018年の初演、2021年の再演に続き主演する柚希は「3回目もさせていただけるなんて本当にうれしいので、人生の全てを懸けて挑みたい」と気合十分。
再演に続き主演する愛希は「前回はすごくいろんな意味で悔しい思いがありまして、もう一度、一からやり直す気持ちでやりたいと思っていますし、本当に初演のような気持ちでやりたいと思っていますし、人生をかけて、全てを懸けて臨みたいんですが、その全てを懸けられるお役に出会える幸せを感じています」と意気込んだ。
再演ではコロナ禍で3公演が中止となった。柚希は「いきなりおしまいになってしまったのがとても悔しかったのと、自分自身、声がうまくコントロールできなかったりしてなかなか苦戦した」と振り返り、「お芝居も歌も踊りも全部、今の自分をしっかりと込めて新しいマタ・ハリを作るつもりで挑みたい」とリベンジに燃えている。
愛希も「その公演を楽しみにしていた方たちの思いを考えると、ものすごく悔しかった。1公演も欠けることなくお届けしたいという強い思い」と同調し、「マタという人物が想像しきれないほどの人生を歩んできているので、その時は精いっぱいやったんですけど反省がすごく自分の中ににあったので、今回とにかくぶつかってぶつかっていきたい」と、2度目への思いを明かした。
人気ダンサーで女スパイという主人公マタ・ハリの人物像について、柚希は「戦争の中であのような形で生き抜く女性というのが、初演の時から本当の意味で理解するのがなかなか難しいほどに深い役だと思う。私は実在の人物を演じるのがすごく好きで、本当はどうだったのかすごく想像する。追い求めて行くと、世界中でマタ・ハリの一番の味方みたいな気持ちになる。それが自分自身になっていけるように深めていきたい。本当に一生懸命生きた女性だと思うので精いっぱい演じていきたい」、愛希は「どんな境遇でも最期まで生きることをやめない。すごく勇気をもらうし、演じていても強くなれる。尊敬しているし、すごく人間味があるなと思っていて。アルマン(加藤と甲斐のWキャスト)と出会って、少女のようにピュアな心になるのがすごく好き」と語った。
また、宝塚で柚希、愛希の先輩にあたる春風は「皆さんお忘れでしょうが私も一応、元宝塚でございまして。再演の時、私はホントに柚希さんと愛希さんのたたずまいに感動して、もう一度やるならもう一度2人を精いっぱい支えたいと、宝塚の上級生下級生という関係もフルに丸出しでやりたいなと思っていたので、すごくうれしいです」とユーモラスに語った。
