堀田真由 気づけばデビュー10周年「目の前にあるものをがむしゃらにやってきました」 「不器用」だから「納得するまで完璧に」

 活躍が止まらない。5月に芸能界デビュー10周年を迎えた俳優・堀田真由(27)がこのほど、デイリースポーツの単独インタビューに応じた。2015年5月にWOWOW連続ドラマW「テミスの求刑」でキャリアを歩み始めた堀田は、5月に自身初のファンミーティングを開催。さまざまな作品で活躍を続ける堀田にとって、これまでの10年の振り返りと、「現在」「過去」「未来」を余すことなく語った。

 気がつけば、10年の時が流れていた。ここまでの芸能生活を振り返る際、堀田は「自分の体感として『早かった』とか、『もう10年か』という体感すらわからない。一つ一つの作品、目の前にあるものをがむしゃらにやってきました」と感想を述べた。

 直近では、連続ドラマの大きなブランドであるTBS系日曜劇場の「アンチヒーロー」「御上先生」で主要キャストを歴任。キャラクターが全く違う中でも、確たる存在感を示して見せた。多くの人が共感を寄せる作品で、堀田が見せた役割は重いが、そんな環境に飛び込む根底にあったのは、芸術に造詣が深い環境だったという。

 14年に大手芸能事務所「アミューズ」が開催した全国オーディションに参加。結果、3万超の応募の中「WOWOWドラマ賞」を受賞した。ファッションに興味のある母や祖母、米国でダンサーとして活動していた叔父がおり「小さい頃は宝塚に入りたい、ファッションモデルになりたい夢があった。今考えると、表舞台で何かを表現することをしたいと思っていた」と話す。

 オーディションを受けた当時のことは心に残っている。「アミューズさんのオーディションを受ける前に(映画)『ソロモンの偽証』のオーディションを受けていて。それが中学生だったんですけど、最終で落ちてしまって。すごく負けず嫌いというか、ここで終わるのは」と奮い立った。それだけにオーディションを受けている時は、自室の壁に「アミューズに入りました、ありがとうございました」という言葉も貼った。「絶対に夢をかなえるという気持ちが強かった」と振り返る。

 ただ、望んだはずの芸能界は華やかなばかりの世界ではなかった。自らを「不器用」、「自分は、この世界にいてすごく普通」と分析。大事な作品のせりふを覚えるため「昔から、やると決めたら自分が納得するまで練習し、完璧にしないとすごく嫌な性格」と、スケジュールの合間を縫ってコツコツと予定を組んで覚え込む日々を過ごす。

 「会話はキャッチボール。相手のせりふを聞くことを意識しています」と語るように、現場での会話を大切にした。共演した俳優から「すごく聞いているよね」と言われたこともあった。私生活でも役に入り込むほどせりふを読み込み、殺人犯を演じた「御上先生」では「心をナイフでグサグサ刺されている感覚で辛くて。本当はダメだけど、涙が止まらないという現象に陥った」と話す。

 10周年を記念した大阪・横浜のファンミーティングでは、コンテンポラリーダンスやピアノ演奏を披露。普段はメディア媒体を通じて接するファンと時間を共有。「役柄を演じる時は自分ではない誰か。今まで自分のパーソナルな部分は出していなかった」。近い距離感でかけられる言葉や、自らの言葉に深くうなずくファンの姿は、決して忘れられない瞬間だ。

 10年前、オーディションに応募した自身に言葉をかけるとしたら-。問いに「当時の自分の方が怖いもの知らずで格好良かった。なので、今言ってあげたい。その感覚、忘れないで。頑張って、大丈夫って」と優しい表情で話す。そんな堀田は「10年頑張ってきた自分は認めてあげたい」としつつ、「でも、今置かれている自分には満足していなくて、まだまだ成し遂げたい夢や目標が数えきれないほどある」と未来を見据える。一つの作品、一つのキャラクター、そして一つのせりふ。細部を大切にしながら、感謝を忘れずに歩む堀田の今後に、期待せずにいられない。

  ◇  ◇

 堀田はカンテレ・フジテレビ系ドラマ「僕達はまだその星の校則を知らない」(7月14日スタート。月曜、後10・00)に出演する。主演は民放連ドラ初主演となる磯村勇斗(32)で、スクールロイヤー(学校弁護士)役。ヒロインの幸田珠々(こうだ・すず)を演じる堀田は、自身初の教師役に「生徒が主体に進んでいくんですが、生徒も先生も、弁護士もみんな人間で不完全。完璧ではないから互いを認め合えれば」とコメント。加えて「自分の不得意なことも他人から見れば得意なところ。私が演じる珠々もそうで…」と話した。

 ◆堀田真由(ほった・まゆ)1998年4月2日、滋賀県出身。アミューズによる新人発掘イベント「オーディションフェス2014」でWOWOWドラマ賞を受賞。同局「テミスの求刑」でデビュー。2017年度後期のNHK連続テレビ小説「わろてんか」で、主人公の妹・りんの役、20年4月に結婚情報誌「ゼクシィ」13代目CMガールに。NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」、日曜劇場「アンチヒーロー」、「御上先生」などで活躍。

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