第三者委、フジ「二次加害行為」断罪 中居氏サイドに立った対応指摘 ハラスメント「蔓延している」
1月に引退した元タレントの中居正広氏と女性とのトラブルに端を発する問題で、フジテレビと親会社は31日、第三者委員会の調査報告書を公表した
第三者委は394ページに及ぶ報告書を提出。報告者の中でフジへの厳しい言葉を並べた。
第三者委は当該トラブルが発生するまでの経緯を説明し、中居氏の性暴力を認めた。フジテレビには「タレントとの会食が、広く業務として認められる実態が存在する」とし「『業務の延長線上』における性暴力であった」と意味づけた。
その後のフジの対応についても不十分だったと結論。フジ幹部は「『プライベートな男女間のトラブル』と即断」し、結果として「対応を誤る大きな要因」となった。その後も女性の「自死への危険を恐れるあまり、『責任をとれない』との思考停止に陥り、現状を変更しないことを決定して責任を回避しようとした」と切り捨てた。
トラブル発覚後も中居氏サイドにたった対応が続き「二次加害行為」と強い言葉を使う場面もあった。中居氏の依頼を受け、フジ幹部B氏が見舞金名目で入院中の女性に100万円を渡そうとしていたことが発覚。「口封じ、二次加害行為とも評価し得る」と突き放した。B氏が、長年にわたり同社バラエティー部門のリーガルアドバイザーだったK弁護士を中居氏に紹介したことも報告している。
ハラスメント調査では例として会合の席で「役員自らが下ネタを振ってきた」という複数の回答があったという。取引先との会合において「社員の性別・年齢・容姿などに着目」し「良好な関係を築くために利用されていた実態はあった」とした。ハラスメントが「蔓延(まんえん)している状態」で「負の連鎖が繰り返されてきた」と評価し「人権意識が低く、セクハラを中心とするハラスメントに寛容なCX全体の企業体質がある」と断じた。
◆第三者委の報告書骨子
・中居正広氏と女性とのトラブルは中居氏による性暴力
・女性はフジテレビアナウンサー(当時)。性暴力は業務の延長線上で発生
・女性が性暴力を受けた当日の会合に、フジ社員関与は認められない
・港浩一社長(当時)らの対応は被害者救済の視点が乏しかった
・フジは有力取引先との関係構築に若い女性アナウンサーらを利用
・フジ幹部が中居氏の依頼で見舞金名目の現金を届け、弁護士を紹介したのは二次加害行為と評価し得る
・社長や会長を歴任した日枝久氏らの下で役員指名が透明性と公平性を欠いた
