藤岡真威人 主演・北大路欣也と初共演で研ぎ澄まされた感性 言葉で語らずとも何かを伝えられる強さを
俳優・藤岡真威人(21)が、8日にCS放送・時代劇専門チャンネルで放送される本格時代劇「三屋清左衛門残日録 春を待つこころ」(後7・00)にメインキャストとして出演する。真威人は同作の主演・北大路欣也(82)と初共演。名優の偉大な背中を見つめ続けた日々の充実感を振り返った。
人気時代劇シリーズの8作目に新たな風を吹き込む真威人。役者として常にこだわっているのは、日常の細部だという。
「現代劇との違いとして、普段着が和装ですので。立っている状態から座る動作、常に脇差しを帯刀しているのでどう扱うかっていうのは当然ですが意識しなければいけない。北大路さんはじめ、本当に時代劇が大好きな方たちに一から所作を教えていただけた」
父で俳優の藤岡弘、(79)も尊敬する名優・北大路との共演には並々ならぬ思いで挑んだ。
「父にとっても先輩にあたる方。北大路さんと一緒にいる時間が一番多い役なので、すごくありがたいですし、少しでも多くのことを学ぼうという意識でした」
偉大な先輩の存在を感じながら時代劇に取り組める機会を、千載一遇の好機と捉えて臨んだ。
「北大路さんは画面や映像で拝見したときにも存在感や迫力がスゴいと感じていました。でも、直接お会いした時にその思いはより強くなって。目で言葉を語れる。言葉で語らずとも何かを伝えられる。いつも吸い込まれそうになって。当然、今の僕がそんなふうにはなれなくても、俳優として歳月を重ねていって、いつか北大路さんのような目で語れる強さを身に付けたいと思いました」
北大路との共演で自身の感性が鋭く研ぎ澄まされていくのを実感した。俳優としての収穫は大きかった。
「北大路さんから『もっとこうしてみてもいい』と声をかけていただくことも多かったです。シーンの一つ一つをより良くしようとする姿勢も本当に勉強になりました」
今作で学んだこと、感じたことによって、自身の中で使命感をより強く意識したという。
「時代劇という言葉を目にすること、聞くことも減っているなというのを今の年齢の僕も感じていて。父も憂いていました。でも、20代の僕だからこそ、新しく時代劇という存在を示していけるんじゃないかと。同世代の人や、時代劇をあまり見ていなかった人にも興味を持ってもらえる機会、使命みたいなものを与えていただいたつもりでいます」
今作での出会いが、役者としての大きな飛躍になることを確信している。重いたすきを受け取った瞳には気迫がみなぎっていた。
◆「三屋清左衛門残日録 春を待つこころ」 作家・藤沢周平氏の長編小説を原作に、北大路が演じる三屋清左衛門の視点で人間模様を映し出す人気時代劇シリーズの8作目。今作で新キャストに迎えられた真威人が血気盛んな青年剣士・窪井信次郎を演じ、清左衛門との固い絆を描く。
◇藤岡真威人(ふじおか・まいと)2003年12月28日生まれ。東京都出身。俳優・藤岡弘、の長男。20年に俳優デビューし、翌21年に映画「仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ」で本郷猛を熱演。父・弘、と親子2代にわたる本郷役で話題に。幼少期から弘、のもとで武道を学び、柔道、空手、杖術など数多くの武術に精通する。趣味はギター、音楽鑑賞、サバイバルキャンプ、釣り。
