【The LDH Times】THE JET BOY BANGERZ・桑原巧光は努力の天才 ダンス研究も深掘り
THE JET BOY BANGERZ・桑原巧光(24)が負けず嫌いを発動させ、アーティスト界の頂を目指している。今月発売の1stアルバム「JET BOY」で新たな表現を突き詰めた。幼少期から決めたことは筋を通し、血のにじむ努力で苦手を克服してきた。早稲田大学法学部をストレート卒業し、プロダンスリーグ・Dリーグで年間最優秀選手賞を2年連続で受賞するなど、まさに努力の天才。米大リーグで活躍する日本人選手をお手本に、努力を続けている。
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-TJBBの1stアルバム「JET BOY」が発売。どんな心境。
「感慨深いです。これから何年もやっていく中で、間違いなく節目となる大事なアルバムになると思う。リード曲は過去最高を更新した。アルバム全体を通して、僕らの“名刺代わりになる物”になった。僕らの名前の由来でもあるジェットエンジンのように、燃えさかる情熱や気迫があるようなアルバムにしたいと思っていた。実力をためてきた中での1stアルバムという節目のタイミングで気合が入っている。この作品の気合をきっかけに、さらに世の中に出て行けるようになればいいなと思います」
-芸能界屈指のダンス力を誇る。どんな努力をしてきたのか。
「ダンスを作る時って皆の良さを理解していないとできない。皆のダンスを研究して、他のアーティストさんがやっていない見せ方もできるように、世界中のダンス作品を見ている。バレエ、絵画も見ていて、自分の人生経験と照らし合わせてハマりそうな物を見つけていく。オタク気質なので、一個掘り下げると、ドンドン気になって止まれなくなる性格です」
-ダンスを始めたきっかけは。
「福島出身で野球を9歳までやっていたけど、2011年に東日本大震災が起こった。当時はあまり外出できない自粛ムードがあって、その中で野球が続けられなくなった。でも体を動かすことが好きで、ダンスをしている姉の発表会を見に行った。男の先生がフリースタイルでバチバチにかましていて『なんだあの人!』と衝撃を受けて、翌週からすぐスタジオに通い始めた。11歳です」
-ダンスにハマった瞬間はいつだったのか。
「スタジオに入ってすぐにチームを組まされ、県外の大会に行く機会があったけど、一人だけ負けちゃうことが多くて。悔しすぎて、帰ってきて夜遅くからずっと練習した。キッズダンスは中学3年生以下。そのくくりでダンサー全員が目指すような大会があった。トーナメント式の大会で、中1の時にどの地域でも3位になった。2位までしか次にいけないので、これはダメなんですよ。涙する瞬間が結構あって、それで一気に火が付いちゃって。中2で決勝大会で全国優勝しました」
-趣味は米大リーグ観戦。
「オタクです。年によって面白そうなチームを見て応援する。最近はフィリーズというチームが推しです。大谷選手、めっちゃ好きです。ダルビッシュさん、イチローさん、大谷さんは考え方がすごいなと思うので、それをダンスに生かしています。イチローさんが2009年のWBC決勝で日本が優勝を決める決定的ヒットを打ったけど、そこまで大不振で緊張しちゃったそう。そんな時に俯瞰(ふかん)して、自分で『イチロー選手緊張しております』と実況しながら打席に入ったそう。それを聞いて、僕もDリーグの大会では自分で実況しています。メンタルの持ち方で影響を受けたのは、ダルビッシュさん。ワールドシリーズの大事な場面で打たれ、バッシングがすごかった。何年か後に相手チームの不正が発覚して、バッシングしたファンは謝ったけど、その時にダルビッシュさんが『そこを含めて今の自分』と言っていて、かっこいいなと。僕も失敗した時も悔しいけど、そこを含めての自分と思うようにしている。そこから取り返していければいいやという感覚で」
◇桑原 巧光(くわはら・たくみ)2000年5月19日生まれ。福島県出身。早稲田大学卒。プロダンスリーグ「D.LEAGUE」で戦うチーム「CyberAgent Legit」のリーダーを務める。LDH史上最大規模のオーディション「iCON Z」から誕生したグループ「THE JET BOY BANGERZ」の一員となり、23年8月に「Jettin’」でデビューした。趣味は読書、MLB観戦。特技は暗記、激辛料理。身長175センチ。血液型B。
