藤井聡太七冠 年内八冠復帰消滅 休憩明けの手順悔やむ「見落としていた」叡王戦トーナメント敗退

 第10期叡王戦本戦トーナメント準決勝で敗れた藤井聡太七冠
 藤井聡太
2枚

 将棋の藤井聡太七冠(22=竜王・名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖)が25日、大阪府高槻市の関西将棋会館で指された第10期叡王戦本戦トーナメント準決勝で、糸谷哲郎八段(36)に100手で敗戦。叡王戦の挑戦はならず、2025年での八冠復帰の可能性が消滅した。藤井七冠は22年の第35期竜王戦からタイトル戦の番勝負に連続出場してきたが、こちらもストップ。歴代2位の羽生善治九段の記録を上回ることはできなかった。

 将棋界の記録を次々と塗り替えてきた藤井七冠をもってしても、1年での八冠復帰はあまりに困難だった。終局後、今年の叡王戦挑戦と八冠復帰の可能性が両方消滅したことについて問われると、10秒ほど沈黙した後「今期は敗退ということになってしまったんですけれど、もっと実力を高めて来期のトーナメントに臨めるように取り組んでいきたいと思います」と、努めて冷静に話した。

 今局は振り駒で先手番となり、糸谷八段の誘導で戦型は横歩取りに。前例のない形が続く中、昼食休憩明けの手順を「見落としていた」と悔やんだ。その後も互角の展開が続いたものの、「早い段階で、思わしくない展開になってしまったかなと感じていました。その後は、基本的に自信がないかなと思って進めていました」と形勢を悲観。流れを取り戻せないまま、糸谷八段の力強い攻めの前に屈した。

 23年10月の第71期王座戦で永瀬拓矢王座を破って史上初の八冠独占を達成し、昨年6月に伊藤匠叡王(当時七段)に敗れて失冠。過去に全冠制覇達成者は藤井七冠を含め4人いるが、複数回の全冠を達成したのは故・大山康晴十五世名人のみ。史上最多のタイトル99期を誇る羽生九段でも達成できなかった返り咲きの難しさが、改めて証明される形となった。

 藤井七冠は22年12月に第35期竜王戦七番勝負で広瀬章人九段(当時八段)を破って以来、19回連続で番勝負に出場してきたが、この日の敗戦で連続出場記録も途絶えた。日程が未発表の第10期叡王戦五番勝負が、名人として防衛戦に臨む第83期名人戦七番勝負よりも先に始まれば19回、後に始まれば20回で、いずれも歴代3位でストップ。2位である羽生九段の23回には及ばなかった。叡王戦で挑戦を決めれば、27回連続出場までは確定していただけに、重ねて悔やまれる敗戦となった。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

芸能最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス