仁左衛門らが泉岳寺お参り 顔の骨折から復帰の愛之助「安心して見に来て」→仁左衛門「前より良くなったんじゃないか」
歌舞伎俳優の片岡仁左衛門(80)、尾上松緑(50)、片岡愛之助(52)が19日、東京・高輪の泉岳寺で、東京・歌舞伎座の「三月大歌舞伎」(3月4~27日)で上演される「通し狂言 仮名手本忠臣蔵」のお参りと取材会を行った。
同作は1748年に起こった赤穂浪士の討ち入りに題材を取っており、泉岳寺には大星由良之助のモデルとなった赤穂藩筆頭家老・大石内蔵助をはじめとする赤穂義士四十七士が眠っている。
歌舞伎座での同作の通し上演は2013年11、12月の新開場こけら落とし公演以来で、仁左衛門は昼の部Aプロ「四段目」と夜の部Bプロ「七段目」「十一段目」、松緑は昼の部Bプロ「四段目」、愛之助は夜の部Aプロ「七段目」「十一段目」で、それぞれ由良之助役を演じる。3人はこの日、浅野内匠頭の墓前で法要を営み、大石の墓前で合掌するなど四十七士の墓参を行った。
これまで何度も大星役を演じてきた仁左衛門は「改めて(義士の)皆さまの忠義心を感じましたね。(『仮名手本忠臣蔵』への意気込みは)特別なものを感じます。皆さまの一念に後押ししていただいて頑張りたい」と意気込み。自身にとっての由良之助役を「『仮名手本忠臣蔵』において頂点のお役と思ってますから。要のお役というか、重さというのを感じますね」と説明した。
トリプルキャストについては「若いお二人なので、負けないように頑張りたい」と笑わせつつ、「由良之助の心を、歌舞伎様式で、形でなく心を伝える、それをしっかりと捕まえてほしいと思いますけど、二人は大丈夫ですよ」と、松緑と愛之助に期待した。
年に一度は泉岳寺を訪れるという松緑は「忠臣蔵という物語に泥を塗らないように勤めたい」と誓い、「由良之助は歌舞伎の中でもとても大切な役でございますし、正直自分には縁の無い役であろうと思っていたところ、仁左衛門のお兄さんにも言っていただきまして四段目由良之助を勤めさせていただくということで、仁左衛門のお兄さんにお稽古していただいて、自分のできる精いっぱいのことをやりたい。教われることを全て教わって吸収したい」と話した。
歌舞伎では初めて由良之助役を演じる愛之助は昨年11月29日、舞台稽古中の事故で上顎(じょうがく)と鼻骨を骨折。その後は休演しており、この日が負傷後、初の公の場となった。
本作で復帰するにあたって「心というものを大切にしながら勤めていきたい。大星由良之助というのは雲の上のお役でありましたんで、まさか自分がと思いましたんで、しっかりとおじ(仁左衛門)を見習い、いろんなことを教えていただき、盗み、ひと月勤めたい」と決意表明。
休演中を「今まで当たり前のように毎日舞台に立たせていただいていたのがこんなにありがたいことだったのかって改めて思わされましたし、ずっと傷の箇所はしびれていましたし、なかなか晴れた空を見ても晴れた気分にはなりませんし、そういう思いで過ごしていましたし。目標があると頑張れるというんですか、前向きに前向きに過ごさせていただきました」と振り返り、妻の女優・藤原紀香に「(ありがたさが)身に染みました。横にいてくれることで心強かったです」と感謝。
現在の体調については「大丈夫でございます、はい!安心して見に来てください」と、笑顔で言い切った。
仁左衛門は「本当に去年の暮れはどうなることかと思いましたけど、本当に早い回復で、回復力に驚きましたし、ここまできれいに治ると…前より良くなったんじゃないか。彼の精神力に頭が下がりますね」とジョークも交えて復帰を喜び、松緑も「久々に会えてうれしかった。(顔は)もともといい男ですからね」と笑顔を見せていた。
