井上芳雄 帝劇ラスト公演に「皆で帝劇を愛し尽くして抱きしめ尽くしてお別れしたいな」
日本を代表する劇場で、今月28日をもって建て替えのために一時休館する東京・帝国劇場のラストを飾る公演「CONCERT『THE BEST New HISTORY COMING』」(28日まで)の開幕記念会見が15日、同劇場で行われ、井上芳雄、浦井健治、小野田龍之介、甲斐翔真、佐藤隆紀、島田歌穂、三浦宏規、宮野真守が出席した。
2000年に「エリザベート」でデビューし、「ムーラン・ルージュ! ザ・ミュージカル」などに出演してきた井上は「稽古中から全てのことが今の帝劇最後だなと思って。いろんな思いはあるんですけど、お客さまと喜んでいただくことと、帝劇への思いを分かち合うということができる公演に昨日からなっているんじゃないかなと思いますし、ただ盛り上がるだけじゃなくて皆さんそれぞれかみしめながら見てくださってるなという気がしました」と14日の初日で得た手応えを語り、「これは祭りだなと。帝劇最後の祭りを今から2週間楽しみたい」と抱負を述べた。
「レ・ミゼラブル」や「Endless SHOCK -Eternal-」など帝劇歴が長く、今回の全日程に出演する島田は「大切な大切なステージにこうして立たせていただけることが本当に夢のようで。後半の方で今の帝劇から次の帝劇へっていう場面があって、私毎回ウルウルしちゃうんです」と話すと、感極まって涙声に。
「王家の紋章」や「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド」に出演した宮野が「歴史的瞬間を一緒にさせていただいたのが光栄でした」、「レ・ミゼラブル」や「ミス・サイゴン」に出演した小野田が「一つの大きなミュージカル史、演劇史の区切りだなと感じます」と述べるなど、各自が感慨を口にした。
最後に井上が「この(会見場の)稽古場自体ももう使われることはないですし、男性更衣室のノブが黒いヒモなんですよ、それすらいとおしい。全部がいとおしく感じるような毎日なんですけど。これは日本の演劇界にとってさみしいけれども大きな節目でもあるので、最後まで感謝の気持ちを込めながら皆で帝劇を愛し尽くして抱きしめ尽くしてお別れしたいなと思っております」と、万感の思いを込めた。
なお、現在の帝劇で上演された舞台は再演を除き372作品で、そのうちミュージカルは「マイ・フェア・レディ」や「ジャージー・ボーイズ」など53作品。今回のコンサートはオリジナルナンバー「THE帝劇」で開幕し、「レ・ミゼラブル」の「民衆の歌」など64曲が披露される。
