阿部寛 東日本大震災で苦しんだ心癒やす音楽の力に感銘 被災者との対話シーン「ドラマだと忘れていました」

 俳優の阿部寛(60)がこのほど、都内で開かれたNHKの主演ドラマ「水平線のうた」(3月1、8日放送。総合は後10・00、BSプレミアム4Kは前9・25)の取材会に出席した。

 宮城県石巻市と女川町を舞台に、東日本大震災で家族を失い、タクシー運転手として働く大林賢次(阿部)が、音楽を通じて人々の思いをつなげる演奏会を開く物語。

 主人公が涙を流すシーンも多く、阿部は悲しみを表現する演技に「安易に泣きたくないというか、涙をこらえる姿の方が、表現として見る人の心が動くのでは」との考えがあった。そのため、台本に目を通すと「正直、メソメソしすぎじゃないか」と感じたという。

 それでも映画「正欲」、「あゝ、荒野」などで知られる岸善幸監督との話し合いや、現地での被災者との対話を通して「(震災後も)ずっと苦しんでいる姿を若い世代に見せてしまっているんだなと。その表現の一つと理解した」。できあがった作品を見て「岸監督の演出が、僕が考えていた台本を超えていた。すごく良い作品に出させてもらったと思う。勉強になりました」とした。

 後編はドキュメンタリーとしての手法も合わせ、被災者が本人役としても作中に登場するのも特徴だ。被災者と真っすぐ目を合わせ、話に耳を傾ける場面は「ドラマだと忘れていました」。

 多くの地元の人々がエキストラとして集まった演奏会の撮影では「会場が一体感に包まれていて。皆さんの中には涙ボロボロの人もいた。音楽の力ってすごいんだなと」と感銘を受けたという。現実とドラマが地続きとなって、震災後の人々の姿が描き出される。

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